森喜朗の“女性蔑視発言”ショックで高まる五輪中止リスク

森喜朗・前組織委会長の問題発言の数々

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」(2/3 JOC評議会で) 今回の騒動で最も問題視された発言。後段では「恥を言いますが」と前置きして、5人の女性理事がいる日本ラグビー協会の理事会は倍の時間がかかると発言 「女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制しておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかはいいませんけど」(2/3 JOC評議会で) 「女性の発言時間を規制するべきとの声があがっている」と言及したくだり。女性の参加機会を奪う発言だとして炎上 「私どもの組織委員会に女性は何人いますか?7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます」(2/3 JOC評議会で) 女性は発言を自粛するべきとの思いが「わきまえておられる」に込められているのでは?と炎上することに 「最近、女性の話、聞かないからわかりません」(2/4「女性は話が長いと思っているのか?」の質問に対して) 「わからない」のに「女性は話が長いと言ったのか?」と火に油を注ぐことに 「まあ、これは解釈の仕方だと思うんですけれども、そういうとまた悪口を書かれますけれども、私は当時そういうものを言ったわけじゃないんだが、多少意図的な報道があったんだろうと思いますけれども」(2/12 組織委臨時懇談会にて) なおも「誤った解釈で女性蔑視発言と受け止められた」と自身に非がなかったことを強調しつつ、報道の姿勢に問題があったと主張する一幕も…… 「誰かが老害、老害と言いましたけれども(中略)老人が悪いかのような表現をされることも、きわめて不愉快な話であります」(2/12 組織委臨時懇談会にて) 自身の発言で女性に不愉快な思いをさせておきながら、ネット世論の「老害」発言を「すべての老人に対する悪口」と拡大解釈して不満を滲ませる場面も

森失言で注目される’22年北京冬季五輪への対応

 森前組織委会長の女性蔑視発言について、IOCは「絶対的に不適切な発言だった」と批判。  これを受けて注目を浴びているのが来年の北京五輪。ウイグル族に対する弾圧や香港民主化運動への弾圧を行う中国の姿勢は、森発言擁護のために例を出すのは批判の論点を逸らすための姑息な「whataboutism」ではあるものの、本質的には看過できない大きな問題であるのは間違いない。  現状、IOCは黙認しているが、人権団体はその姿勢を批判している。今後の行方が注目される。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/アフロスポーツ ロイター/アフロ> ※週刊SPA!2/23・3/2合併号より
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表紙の人/ 小芝風花

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