都民には外出自粛を呼びかけながら、自身は「密」状態を作っていた
緊急事態宣言の発令中、小池知事による応援演説は“密集街宣”に
「カイロ大学首席卒業」という疑わしい経歴を引っ下げて、キャスターから国会議員を経て都知事に登り詰めた小池百合子知事が、再び“虚言癖”を露わにした。4年前の都議選圧勝に弾みをつけた千代田区長選で再度、直系の愛弟子候補である樋口高顕氏を全面的に支援し、勝利に貢献した時のことだ。
2月5日の小池知事会見で『東京新聞』の記者は、投開票前日の1月30日夜、「密」状態を作り出していた街頭演説について次のように問い質した。
「選挙期間中は、緊急事態宣言が発令されていてで、都民に外出自粛を呼び掛けていた時期。飯田橋で街頭演説に立った判断理由や経緯を聞かせてください」
これに対して小池知事は
「お集まりいただいた方には『密にならないように』ということで、徹底してお願いをした」と非を認めず、まるで「密」状態にはなっていなかったかのような答弁をした。
しかし、実際には「密集」「密接」状態が出現していた。
感染拡大抑制の先頭に立つべき小池知事自身が「密」状態を作っていたという不都合な真実を、隠蔽・改竄したのだ。
「飯田橋での街宣は『密』では?」という筆者の質問を小池知事は無視
自ら「密」状態を作り出しておきながら、樋口氏の応援演説のためマイクを握ったとたん「密を避けてください」と呼び掛けた小池知事
しかし『東京新聞』の記者は、この件について再質問をして追及を続けることはなかった。そこで会見終了直後、この日も質問者として指されない“記者排除”を受けた筆者は、小池知事に向けて声掛け質問をした。
――(千代田区長選の)飯田橋街宣、密集状態ではなかったのですか。自分で「密」状態を招いてどうするのですか。
小池知事は、無言のまま立ち去った。
著書
『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』で筆者が紹介した都知事会見の“風物詩”的なやりとりが、この日も繰り返された。しかし小池知事は結局、2020年夏の都知事選では一度もしなかった街頭演説を千代田区長選では断行し、「密」状態を作り出したことを認めることも反省も謝罪もしなかった。「自分(選挙)ファースト」とはこのことだ。