都議選で圧勝して国政転身、「初の女性総理大臣」の座を狙う!?
維新推薦の五十嵐朝青候補は樋口氏に敗れたものの、維新の票を伸ばした
都知事として感染爆発を抑え込む役割をかなぐり捨てて“密集街宣”に踏み切り、質問されても「密」状態だったことを否定して虚偽答弁を行った小池知事だが、何でもありの選挙で勝利した効果はハッキリと現れた。
「千代田区長選で自公系候補敗北 夏の都議選に不安、小池氏は存在感」(2月1日付『産経新聞』)などと報道され、内閣支持率激減の菅政権(首相)を尻目に注目度が上昇。
「“小池劇場”が再開幕した」といった雰囲気さえ漂い始めたのだ。
元・都民ファースト幹事長(都議)だった維新の音喜多駿・参院議員は、2回目の出馬となった維新推薦の五十嵐氏も票を伸ばしたことから、千代田区長選についてこう総括した。
「今回の区長選挙の票差を見ると、自民党の『一人負け』と言わざるを得ないのではないでしょうか。小池知事と都民ファーストは逆転大勝利で、7月4日投開票の都議選に弾みがついたことは間違いありません」
4年前の再現を小池知事が狙っているのは確実だ。2017年はトリプルスコアで圧勝した千代田区長選で弾みをつけ、都議選で自民党を歴史的惨敗に追い込んだ。その勢いを買って「希望の党」代表に就任し「女性初の総理大臣誕生か」との見方も流れた。その時と同様に、ホップ・ステップ・ジャンプの三段階で国政転身をはかろうとしているというわけだ。
小池知事の最終目標が総理ポストに違いないことは、ベストセラーとなった
石井妙子著『女帝』や先の
『仮面』などの中で指摘されていることだが、
第一段階を劇的な逆転勝利でクリア、続く都議選でも落ち目の自民党に圧勝する可能性が高まる中、国政転身への道筋が再び切り開かれる状況になりつつあるのだ。
現在の永田町は「安倍一強多弱」から「菅一弱多弱」という“戦国時代”に突入している。
メディアコントロールに長けた「自分(選挙)ファースト」の小池知事が、ポスト菅候補として急浮上する“政治的環境”は徐々に整いつつあるのだ。『女帝』の副題は、「小池百合子――救世主か? “怪物”か?」だったが、まさに“怪物”のような小池知事から当分、目が離せない。
<文・写真/横田一>