服役中の囚人がかつて強盗を働いた銀行の頭取に手紙を送ったところまさかの返信が

襲われた銀行の窓口職員が元強盗にかけた言葉

 コロナ禍ということで面談はビデオを介して行われた。面談の中でフーリオはその彼に向って「私にとって、あなたが被害を受けた全員の代表だと思っている」と述べた。そしてフーリオが彼に与えた心の傷を癒すのに何ができるか尋ねた時、彼は「あなたは現在始めているその(改心)道を進むことを望んでいる」と語り、「あなたのお孫さんと愉しく過ごせるように落ち着きを取り戻す良い職場を見つけることができるように」と伝えたのである。ビデオ会談は45分続いたそうだ。  この出来事はスペイン国内で大いに話題になり、スペインの大半のメディアが大なり小なり記事にした。筆者はその中でも電子紙『El Confidencial』の記事内容を主体にしてこのような記事にまとめた。 <文/白石和幸> 
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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