素人投資家たちが巨大ヘッジファンドに2兆円の損失を与えて大撃破! 米ゲームストップ株騒動を専門家が解説

 “素人投資家”たちが巨大ヘッジファンドを打ち負かした――そんな小説じみた話題でいまだにマーケットは持ち切りだ。1月の1か月間で24倍にまで爆騰したゲーム販売チェーン「ゲームストップ(GME)」株をめぐる素人連合とプロとの戦いである。

損失2兆円!?素人トレーダー連合が金満ヘッジファンドを撃破!

ロビンフッド 戦いは、GMEを買い上げた“素人”たちの完全勝利に終わった。1月26日には空売りを仕掛けていたメルビン・キャピタルに対して大手ヘッジファンドのシタデルとポイント72が約3000億円もの緊急支援を実施。だが、買い上げ圧力は収まらず、その翌日にシタデルはあっさりと売りポジションを解消したのだ。  ともに空売りを仕掛けていた投資情報配信会社シトロン・リサーチも、29日に「20年間続けてきた空売り銘柄の調査をやめます」と白旗を挙げた。金融系通信社ブルームバーグによると、この踏み上げ相場で空売り勢は200億ドル(2兆1000億円)もの損失を被ったという。  なぜ、素人がプロを打ち打ち負かすことができたのか? マーケットアナリストで、いち早く今回のGME相場について日本で発信してきた豊島逸夫氏が話す。 「彼らは掲示板サイト『Reddit』内の『wallstreetbets』という投資専門フォーラムで情報交換を続け、一致団結してGMEを買い上げました。取引手数料ゼロ円の『ロビンフッド』という投資アプリを通じて売買する人が多かったため、彼らは“ロビンフッダー”と呼ばれています。  その大半が20~30代のミレニアル世代。投資初心者が多いせいか、損失リスクを気にせず高値の株も平気で買い上げる。実際、ロビンフッダーから絶大な人気を誇るイーロン・マスク氏のテスラは業績とは無関係に買いが集まるので、昨年10倍近くに急騰しました。今回のGME相場ではこのような彼らの暴力じみた買いに加えて、オプションが活用されたのです」

「wallstreetbets」は日本で言うところの「5ちゃんねる投資スレ」

ロビンフッドwallstreetbets」は’12年1月に誕生した、日本で言うところの5chの投資スレッドに似たコミュニティだ。トレーダーたちが日々のトレード成績を自慢することもあれば、大損報告で盛り上がることもしばしば。5chのアスキーアートのように、投資がらみのクソコラ(適当なコラージュ画像)で盛り上がるスレッドも立つ。  もちろん、日々のニュースやチャート分析に関するスレッドも多い。豊島氏によると、「今ではウォール街も関係者も日々チェックするようになり、wallstreetbetsの書き込みを集計・分析してヘッジファンドなどに売る調査会社も現れている」とのこと。  実際、2月8日には投資情報会社Quiver Quantitativeがメンション数の多い銘柄をランキングにしたデータなどを発表している。各銘柄のチャートを開いてみればわかるように、いずれも1月に急騰した銘柄であることがわかる。 ロビンフッド
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素人連合のもう1つの武器「ロビンフッド」とは?
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表紙の人/ 森みはる(26時のマスカレイド)

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