NHKの有馬嘉男キャスター降板報道。国谷裕子キャスターと同じく「菅氏に切り込んだ」から!?

説明するとヤバいこと、説明できない事情があるのは森友事件と同じ

 NHKはキャスター人事についてありきたりの説明しかしないことが多い。だがキャスターは視聴者に対しNHKを代表して番組に出演している。NHKは視聴者に対して「なぜ降板するのか、なぜ替わるのか」をきちんと説明すべきだろう。そもそもNHK内部でも、当該番組の担当者にもきちんとした説明は行われていない。  これは、「番組の突然の延期や内容変更」(筆者記事「『NHKスペシャル』『クローズアップ現代』が“上から”の指示で番組改変!?」参照)と同じだ。やはり制作担当者に対し、きちんとした説明が行われていない。まして視聴者に対しては知らんぷりだ。説明しないのは、説明するとヤバいこと、説明できない事情があるからだろう。ほら、アレと同じですよ、森友事件。土地取引についても公文書改ざんについても、財務省はきちんと説明していないでしょ。  アレと同じだとしたら……これは公共放送としてあまりにもヤバい。視聴者に受信料を負担していただいてこその公共放送なのだから。お金だけ取って説明しないなんて理屈は世間に通用しない。そこで次回は受信料。誰しも関心のある「お金」の話をしようと思う。 【あなたの知らないNHK 第5回】 <文/相澤冬樹>
大阪日日新聞論説委員・記者。1987年にNHKに入局、大阪放送局の記者として森友報道に関するスクープを連発。2018年にNHKを退職。著書に『安倍官邸VS.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』、共著書に『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』(ともに文藝春秋)
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メディアの闇 「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相

巨大組織NHKの中で、歪められていく森友事件報道。 スクープを連発した記者の、渾身のノンフィクション。