沖縄防衛局は「環境監視等委員会」の会議の公開と、必要な情報提供を
今回の交渉で明らかになった問題は、ジュゴンの鳴音と環境DNA調査をめぐる防衛省の回答に象徴されるように、
環境監視等委員会の透明性の欠如と、同委員会への沖縄防衛局による情報提供不足の2点だ。
環境監視等委員会の目的は、
辺野古の工事による影響低減のために、科学的かつ専門的な助言を事業者である沖縄防衛局に与えることである。しかしその役割が機能するには、沖縄防衛局は環境監視等委員会に必要かつ正確な情報を提供しなければならない。
そして、
環境監視等委員会が適切な助言を行えているかどうかをチェックするには、会議の透明性の確保が不可欠である。現状では、会議は非公開。議事録には委員長以外の発言委員の名前は記載されず、会議後1か月ほど経ってから
沖縄防衛局のウェブサイトに公開され、どのような議論が行われたかをようやく知ることができる。
「やはり、今の状況を変えなければいけない」と、交渉の終わりに、環境保護団体のメンバー、そして交渉に同席した社民党の福島みずほ参議院議員から
「環境監視等委員会の公開」が防衛省に要請された。市民の間では、
ジュゴンの鳴き声の録音公表を求める署名活動なども始まっている。
公開実施に加え、オンライン中継、メディア取材許可、実施後のすみやかな録画および資料公開なども考えられよう。そうすれば、市民やメディアも必要な議論が行われているかが確認できる。また、委員である専門家たちの発言も、誰が何を言っているのかが厳しくチェックされて、発言の責任も問われていくだろう。
<文・写真/幸田幸(環境ライター)> Twitter:
@coda_ko