“情弱”投資家が次々と餌食に……仮想通貨詐欺の最新手口。小口のお金を幅広い層から巻き上げる
ビットコインの急騰に伴い、仮想通貨絡みのトラブルが増えている。超高利回りを騙った投資案件から、新種の手口へ……。宝くじ的要素やゲーム性をエサに投資家を集めつつある新たな詐欺的手口の実態を探った。
’17年バブルの再来か――ビットコイン(BTC)が急騰を続けている。昨年安値からの上昇率は実に800%超。実は、その価格と連動するかのように、仮想通貨を絡めた事件が増えている。
建設会社に勤める30代男性・T氏が話す。
「昨年7月に先輩に勧められたのがPGA(プランスゴールド・アービトラージ)という投資商品でした。『月利15%以上』『1年で4倍になる』と。
怪しいなとは感じましたが、『いつでも出金できる』と言うので20万円分入れたら、本当に1か月で15%近くの利益が出て、出金もできた。これなら投資額を増やしたほうが得だと考えて50万円分追加入金したのが運の尽き。
10月に出金が停止され、今も利益を含めて100万円以上のお金が引き出せない状況です」
PGAは、取引所で売買される仮想通貨のアービトラージ(鞘取り)で確実に利益を生み出すとする商品だ。このように異常な高利回りを謳った商品は、「HYIP」と呼ばれ、数多くのトラブルを起こしてきた。
いくつものHYIPに投資して携わってきたネットビジネス集団TEAM YES代表の礒貝浩資氏は次のように話す。
「HYIPの多くは新規参加者の投資資金を既存の投資家の配当に回すタコ足配当で高利回りを装ってお金を集め、頃合いを見計らって“飛ぶ”傾向にあります。
だから、多くの投資家を紹介するほど高いボーナスがもらえるMLM(ネットワーク・ビジネス)のシステムを取り入れ、短期間でお金を集めるんです。
’19年に出金が停止されたAIトレードというHYIPには私個人と私の紹介を受けた方たちで計200BTC(約7億円)以上投資しましたが、いまだに1円も返ってきません。
日本でお金を集めまくった運営側の人間は海外に逃亡中なので、集団訴訟の準備を進めている人もいます」
礒貝氏によれば、AIトレードの被害額は数十億円。PGAは500億円を超えるという。当然、被害者の怒りは収まらず、昨年末には雲隠れしていたPGA運営サイドの女性が被害者に取り囲まれる騒動も起きている。
だが、「運営母体はいずれも香港や深圳など海外に登記されているため、告発しても日本の捜査のメスが入るケースはほぼない」(礒貝氏)とか。
「個人間取引」で安心をアピールするP2P案件
「告発しても日本の捜査のメスが入るケースはほぼない」?
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