証拠もなく民間人を殺害し続けていたはずの上官は、時折7歳の息子とモニターを介して楽しそうにネット通話をしていたりもする。彼は息子に「パパの仕事は?」と問われると「人を助けている」と答えていたそうが、「息子が大人になれば軍人だと胸を張って言う。人を殺しているのが仕事で、得意だったと」とも宣言している。
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この上官にも、実は自身の行いが「幼い子どもには言えない」ということはわかっていた。その(表面上では)まともにも思える倫理観は、「親子愛」によってもたらされたものだったのだろう。
主人公もまた、自分のことを誇りに思ってくれている、元海兵隊員だった父親の存在が(チームに気づかれないように状況をチャットで話すことができたこともあって)精神的な支えになっていた。劇中の戦場のような、民間人が殺害され続け、同調圧力に支配されることが善とされる異常な場所であっても、親子愛はやはり絶対的な信頼をおける価値観であるのだと、この映画は示していたのかもしれない。
<文/ヒナタカ>