森友学園の幼稚園、休園へ。管財人が学園に知らせず手続き

理事長や理事会には、休園の方針は知らされなかった

森友学園前理事長・籠池泰典氏と妻の籠池諄子氏

森友学園前理事長・籠池泰典氏と妻の籠池諄子氏

 民事再生中の学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)について、管財人の弁護士が休園に向けて手続きを進めていることが関係者の話でわかった。年度が替わる今年3月いっぱいで休園する方針。きょう1月20日、管財人の疋田淳(ひきた・きよし)弁護士が、許認可権限を持つ大阪府の私学課に電話で方針を伝えた。  民事再生手続き中であることから、1月5日、大阪地裁に申請を出して許可を得たという。園児の保護者には、管財人から休園を知らせる手紙がすでに届いているという。
籠池町浪理事長

籠池町浪理事長

 しかし、学園の籠池町浪(かごいけ・ちなみ)理事長や理事会は、休園の方針を一切知らされていないという。籠池町浪理事長は、あす1月21日、大阪市内で記者会見し、理事長や理事会に無断で手続きが進められていて不当だと訴える構え。幼稚園が休園されると、在籍中の園児約30人のうち、半数の約15人が来年度、在籍できなくなり、影響を受けるという。また幼稚園に勤める教員8人も職を失うことになる。資金繰りも回っているので休園する必要はないと訴える。

管財人弁護士は1月20日13時から記者会見、休園の方針を明らかに

管財人から保護者宛に送られた休園通知

管財人から保護者宛に送られた休園通知

 一方、管財人の疋田淳(ひきた・きよし)弁護士は、理事長側の会見が決まった後で、記者会見の連絡を大阪司法記者クラブに伝えてきた。理事長の会見に先立って、きょう1月20日13時に記者クラブで記者会見し、休園の方針を明らかにする。ただし、会見のカメラ撮影は禁止するという。
大阪府豊中市の小学校予定地で撮影された安倍昭恵氏(中央)と、籠池泰典・前理事長夫妻の3ショット

大阪府豊中市の小学校予定地で撮影された安倍昭恵氏(中央)と、籠池泰典・前理事長夫妻の3ショット

 森友学園をめぐっては、学園が設立をめざした小学校の用地として、財務省近畿財務局が鑑定価格9億円あまりの国有地を8億円以上も値引きして1億3400万円という破格の安値で売却したことが、2017(平成29)年2月に発覚。小学校の名誉校長に安倍首相(当時)の妻の安倍昭恵さんが就任していたことから「首相の妻に忖度した値引きではないか」と国会で問題になった。  これに安倍首相が「(取り引きに)私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁。財務省の佐川宣寿理財局長(当時)が「当時の取り引きの記録は廃棄した」と答弁する一方で、関係する決裁文書の改ざんを現場に指示した。
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森友文書改ざんの真相解明をめざす裁判は続く
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