山積みの業務に現場は大混乱。業務開始前にやると楽になる、「やらないこと」の決め方

やらなくてもよい仕事をまず除外する

 そうではなくて、必ずしもその日にやらなくてもよいことを除外することから始めて、残った業務の優先順位を高めて、その日に完了できるように注力すればよい。そうすることで業務遂行の集中度も高まり、遂行度合も高まる。  この方法は、抱えているさまざまな業務を、分解して捉える思考方法だ。今日やらなくてよい業務と、今日やるべき業務とに分解することは、業務効率を向上させるためにもっとも効果がある。  それ以外にも、抱えている業務を分解して括り出した類似業務を、同じ時間帯や近い時間帯で実施する方法もある。社内で行う業務、社会で行う業務というように、同じ場所で行うべき業務を括り出して、同じ場所で実施するようにスケジュールを立てる方法も有効だ。  業務効率を上げ、パフォーマンスを向上させるためには、漠然とタスクを捉えるのではなく、分解して業務を峻別することが重要な第一歩だ。

優先順位をつける3つの視点とは

 質問:実施しないことを思いきって決めることができない当該期間に実施しなくてよいことは、実施しないという判断をする」ことができれば、それに越したことはないですが、そのように思いきることができません。次の期間にしわ寄せがいくのではないかと心配です。どうしたらよいのでしょうか?  回答:Under the Table の業務から先に峻別する  山積する業務のスケジューリングにあたり、優先順位をつけることが上手な人は、以下の順番で業務の優先順位をつけています。私はこれを「スケジューリングの3視点」として、下記のように呼んでいます。  人は自分が実施する業務から峻別したくなるものですが、逆に実施しない業務、ほかの人に依頼する業務から先に峻別して、残りの自分で実施する業務の優先順位をつけるという方法をとると、格段に業務効率が上がります。  スケジューリングの3視点:内容  1・Under the Table:当該期間に実施しなくてよい業務を峻別する。案件をテーブルの下(Under the Table)に落とす  2・Waiting:ほかの人のアクションを待ったり、ほかの人に依頼できる業務を峻別して、その結果を待つ(Waiting)  3・Action:残った業務を自らアクション(Action)していく 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第224回】 <取材・文/山口博>
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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