未来の大統領候補はムスリム女性?社会主義者?アメリカ政界を激変させる「プログレ議員」たち

 世界中が注目した大統領選も終わり、ようやく政権移行が始まろうかというタイミングで前代未聞の混乱に陥ったアメリカ。カマラ・ハリス議員が初の女性副大統領に選ばれるなど明るいニュースもあったが、「トランプよりはマシ」という消極的な理由でジョー・バイデン次期大統領に投票した有権者は決して少なくないだろう。

AOCに続く進歩的議員たちとは

 バイデン氏には民主・共和両党や、近年ますます分断が進む人種間のバランス役、そして民主主義国家としてのアメリカの再生が期待されているが、より「プログレッシブ」(進歩的)な政策を望む声も少なくない。  そんなプログレッシブな議員の筆頭といえば、当サイトでもたびたび紹介し、日本メディアでも取り上げられる機会が増えてきたAOCことアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員だろう。  AOCが自ら先日ツイッターに投稿したように、少しずつではあるがプログレッシブな議員の数は増えている。本稿では彼女が「家族」と評した注目の議員たちを紹介したい。

資本主義は多数のために機能していない

ジャマール・ボウマン  自らワクチンを接種している動画を投稿し、新型コロナウイルスへの啓蒙を行なっているのは、ジャマール・ボウマン議員だ。  今回紹介する議員たちと同じく、アメリカ民主社会主義者(DSA)である彼は、小学校の教員としてキャリアをスタートした。  教育格差が悪化するとして共通テストに反対するなど、教員時代にもすでに注目されていたボウマン議員は、AOCにも影響を受けながら、「反貧困・反人種差別」を掲げて政界に進出。「私を社会主義者と呼びたいならば、社会主義者と呼べばいい」と、一見過激にも思えるようなメッセージを発しているが、その根幹には広がり続けるさまざまな格差を是正しようという強い意志が感じられる。(参照:JACOBIN)  「皆保険について話すとき、住宅供給は人権問題だということや、義務教育への投資や連邦政府の雇用保障について話すとき、人々は私を民主社会主義者と呼びます。私は気にしません。現在の資本主義モデルが多くのアメリカ人にとって機能していないにも関わらず、『社会主義』という言葉には汚名がつきまとっています。  我々(アメリカ合衆国)の制度では、全国の下位50%よりも3人のアメリカ人のほうが多くの富を持っています。4000万人が貧困に生きています。1550万人の子どもが貧困に生きています今の制度は多数のためには機能していません。私を社会主義者と呼びたいならば、社会主義者と呼んでください」  「学校から刑務所へ」という表現があるように、アメリカでは教育格差が深刻な問題となっているが、自ら教師として現場に立ち続けたボウマン議員がどれだけその溝を埋められるか、ぜひ注目してほしい。
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プログレ議員への批判はアメリカ国外からも
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