では、これらを背景に’21年はどのような値動きを見せるのか、概況を尋ねた。
「現在の日経平均はPER24倍となっており、14~16倍が平均値ということを鑑みると、歴史的にも高い数値です。それが1年を通して是正されていき、50%増益を見ています。上値は2万7200円。下値は2万4000円がメド。下値支持線を抜けてきたら2万1000円もありえます」(馬渕氏)
そして、「より夢から覚めたリアルな相場」になるという。
「コロナ相場は量的緩和、期待先行で夢を見る相場でした。しかし、ワクチン開発などコロナが落ち着けば現実を見ざるを得ません。カギはオリンピックの開催。オリンピック関連銘柄で大きく売られた銘柄は立ち上がると見ています。代表格はアルソック、セコムなどの警備会社です。あとは乃村工藝社。オリンピックの空間プロデュースなどを担当していましたが、期待されていた分ものすごく売られてしまった。もちろん五輪の開催は未定ではありますが、視点として持っておいて損はない。
あとはコロナの手垢がついていないIPO銘柄は注目です。先日上場したヘッドウォーターという企業は一気に10倍以上に。IPO銘柄は不安材料も少なく資金が回るため、化ける可能性があります」
一方でかぶ1000氏は、「世界的な金融緩和で市場は正常化するが、昨年以上に企業力の差が明確になる年」と述べる。
「ECの発達もあり、巣ごもり需要としての通販も依然力を増すとは思いますが、リアル店舗の見直しも進むでしょう。現状、リアル店舗はどんどん減っていますが、その分、生き残ったときの1店舗当たりの影響力は大きくなる。
ただ、構造上問題がある業界は、企業努力が株価上昇に繫がりにくい。たとえば航空業界とブライダル業界。どうやっても早期復活は難しいのではないでしょうか。航空産業は、どれほど値下げしても使う人がいなければ意味がない。ブライダルも密を懸念する流れはまだ避けられないはずです。ウェブの投げ銭でご祝儀をもらうなど形態は変わるかもしれませんが、そうなると、式場など既存の設備が流用しにくいことがネックです」