【雇用崩壊】就業者数は激減。希望退職募集人数は過去最多更新へ
新型コロナの収束が遅れるほど、景気が冷え込むのは当然のこと。足元ではリーマンショック以来の2期連続マイナス経済成長を記録する可能性も高まっている。
「大幅マイナスに落ち込む’20年度の反動で’21年度はプラス成長に転じると予想する民間シンクタンクが大半ですが、これはあくまでコロナの収束を前提にした予想。第4波の発生や2度目の緊急事態宣言発出となれば、’21年度もマイナス成長は避けられません。
そもそも、緊急事態宣言が解かれたあとの’20年7~9月の家計調査を見ると、消費は前年同期比で10%ほど減少しています。コロナ収束期待が高まっても、GDPの半分以上を占める国内消費は回復しなかったのです。政府がコロナ収束宣言を出さない限り、’21年も買い控えムードが続くと考えて間違いないでしょう」(鈴木氏)
景気が冷え込めば、おのずと雇用環境は悪化する。その兆候はすでに表れているという。経済評論家の加谷珪一氏が話す。
「’20年4月以降、就業者数は対前年同月比で80万人前後減り続け、10月には100万人近くも減っていますが、これはリーマンショック直後の数値を大きく上回る減少幅。再就職活動を控えている人が多いため、まだ失業者は急増していませんが、雇用調整助成金が今後削減されれば失業者の増加は避けられません」
’20年10月には対前年同月比で就業者数は93万人減を記録
直近では職を失った人の大半が非正規従業員だが、正社員を取り巻く環境も着実に悪化している。
「’20年の上場企業による早期・希望退職者の募集人数はリーマンショック直後の’09年に次ぐ多さ。’21年から募集を開始する予定の企業もすでに9社あり、その募集枠は2000人に達していることから、’21年は過去最多記録の更新が濃厚です」(友田氏)
前出のとおり、’21年にはコロナ廃業&倒産も増加することが予想されている。過去最悪の雇用崩壊リスクに備えておくのが賢明だ。