「おい犯罪者」「GOGO制圧」。入管常勤医による被収容者イジメの異常な実態

「薬を減らします。日本人の税金がもったいない」と追い返す

「薬を減らします。日本人の税金がもったいない」 収容されているからこそ体調を崩している人に対して、非情ともとれる言い方です。この常勤医に我慢ができなくなった被収容者は「それでも医者か?」と訴えかけました。「アフガニスタンで命を落としたペシャワール会の中村哲さんと全然、違う」と言います。中村さんと比べるのはさすがに気の毒かもしれませんが、医者は被収容者を冷たく追い返します。  この常勤医による被害の声はこんなものではありません。「本当は医者ではく入管職員が医者のふりをしているだけではないか?」という噂も収容所内ではささやかれているほどです。牛久入管の総務課に聞くと、まぎれもなく医者だと言うのですが、それを信じている被収容者はほとんどいません。

常勤医が収容者を好きにいじめていい権利などない

 それからこの常勤医は「犯罪者」という言葉をよく使うそうです。いろいろな事情で在留資格がない、または失った人もいます。過去に犯罪歴のある人もいますが、すでに刑期を終えています。  それ以前に、どんな人間であろうが、この常勤医が自分の好きなようにイジメていい権利など一切ないのです。決して、許されないことです。 【ある日の入管 第10回】 <文・画/織田朝日>
おだあさひ●Twitter ID:@freeasahi。外国人支援団体「編む夢企画」主宰。著書に『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)など。入管収容所の実態をマンガで描いた『ある日の入管』(扶桑社)を2月28日に上梓。
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