入管職員は子供好きな人が多いです。
でもその子供たちは、お父さんやお母さんが収容されて、わざわざ面会に来ている立場なのです。
職員たちは、入管に訪れる子供たちのことを純粋に「かわいい」と思ってくれていて、そこに悪気などありません。
しかし、
この子たちを親から引き離している側の人間であることは、無神経にならず肝に銘じていてほしいものです。
1年近くも収容されていたお父さんが、ついに解放される日です。通常、家族は6階の違反審査部門(仮放免の部屋)で待ちます。廊下の奥から、やっとお父さんが職員とともに大きな荷物を抱えて出てきました。待ちに待った感動の再会です。
その時、職員の1人が、親子が近づけないように壁になりました。
「まだ手続きが終わっていないからダメ!」と。仕事に忠実で、まじめすぎるのかもしれません。
しかし、小さな子供たち相手にそんなにムキにならずとも……と思うのです。日本人特有の杓子定規というものでしょうか。せっかくの親子の感動の再会が、台なしです。