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新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない世の中で、すっかり定着しつつあるテレワーク。在宅勤務が続くにつれ、肩こりや腰痛がひどくなったと訴える人も多い。オフィスと同じ環境を求めて、ワークチェアやPCデスクをいいものに変えたいという需要は増えている。しかし、値段も機能もピンキリで、どれを選べばいいのか分からない……。そんな読者のため、チェアコンシェルジュに「自分に合う椅子の選び方」と、おすすめのワークチェアを聞いてきた。
今回ワークチェアについて教えてくれるのは、東京・浅草橋にあるワークチェア専門店『
WORKAHOLIC』の商品管理担当者兼チェアコンシェルジュの伊藤僚範氏だ。
ワークチェアの購入を考える時に、まず検討するのが「どの価格帯のものを購入するのか」だ。ネットで評価が良いものを探すと、10万円代から、高いと20万円以上するワークチェアがヒットする。やはり高いものを買えば間違いがないのかと思いつつも、大きな買い物なので躊躇してしまう。
「価格の高いワークチェアが良いものだと思い、購入を考えている方も多いようですが、
ワークチェアは高ければ高いほどいいというわけではないんですよ。例えばブランド力のあるワークチェアは値段が高いですが、ブランド力は実質的な機能性とはあまり関係ありませんよね。10万円のワークチェアより、20万円のワークチェアの方が疲れにくいかというと必ずしもそうではありません。
大事なのは値段ではなく、
自分に合ったサイズ感、肌感のものを選べるかどうかなんです。機能性に関しても、基本的に多ければ多いほど値段は上がります。でも、たくさんの機能を備えていればいいということではなく、自分に必要なものが揃っていればいいんです」
伊藤氏によれば、ワークチェア購入の際には「
サイズ感・座り心地・機能性」が自分に合っているかを確認して購入するのがベストだという。身体に合ったサイズかどうか、自分がリラックスできる感触かどうか。そして、アームレストやヘッドレストなど、自分がほしい機能が備えられているかどうかだ。『WORKAHOLIC』のようなショップに出向き、これらをしっかり確認しながら、ワークチェアの座り比べをすることが重要だ。
『WORKAHOLIC』は現在事前予約制で来店することができる。店内には国内外約70脚のワークチェアが展示されており、自分で座り心地を確かめることができる。しかし、なかなか来店できないという人のために「ビジネス世代のテレワーク目的」のワークチェアとしておすすめのものをお伺いした。
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ErgohumanPro Ottoman
一脚目は「
Ergohuman(エルゴヒューマン)」という台湾ブランドの「
ErgohumanPro Ottoman」というワークチェアだ。こちらは背面が上部と下部で2枚に分かれて構成されている。そのため腰のサポート部分が独立した動きをし、座る人の腰のカーブを押し出してくれるのが特徴。腰のサポート力に優れている。
オットマンもついているので、作業の合間に思いきりリクライニングして休憩するのもいい。
そしてなんと言っても、コストパフォーマンスがいいのもイチオシポイントだ。機能はしっかり揃っていながらも、10万円強と手が届く価格設定になっている。エルゴヒューマンブランドのワークチェアは、10万円以下で買えるものも多いそうだ。
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Baron
二脚目は国内メーカーの中でも有名な「
OKAMURA」の「
Baron」というワークチェア。こちらは『WORKAHOLIC』で特注しているモデルだそうで、座面や背面がスリムな設計になっている。横幅が狭めなので小柄な男性や、華奢な女性にもフィットしやすい。ヘッドレストも付いていてやや高さがあるが、部屋の中でも威圧感を感じづらい。同店でも毎月1位、2位を争うほどの人気商品だそう。
機能面ではアームレストが内側にたためるので、ひじを置いての作業がしやすく、デスクトップを使っている人には特におすすめできる。またヘッドレストが大型で、高さや角度まで調整できるので、首こりを感じやすい人にもおすすめだ。