こうして男女共同参画会議の影響力向上は失敗した。
はじめは首相の関与が少なく、ある程度のフェミニストの「政策へのアクセス」があったため、多元的な見解を示すことができていたものの、政策への影響力は限られたものだった。そんな男女共同参画会議にとって、第2次男女共同参画基本計画は政策への影響力を高める機会となるかもしれないものだった。ところが首相の関与不在のもと、計画策定の直前になって政権与党のバックラッシュ派の介入を招いた。このとき「政府・与党二元体制」が現れたことで、それまで関与が薄かった首相も「政治主導」によって事態の「収束」を図ることになり、それによって、男女共同参画会議は行政改革で本来意図された内閣府の集権化機能に取り込まれていったのだ。
次の記事では、この第2次計画の後退をきっかけに、男女共同参画の人事が変化し、フェミニストの「政策へのアクセス」が減少して、男女共同参画会議が多元性をすら失っていくことになっていった経緯を取り上げたい。
◆ 「乗っ取られ」た男女共同参画 第2回
<文/川瀬みちる>
1992年生まれのフリーライター。ADHD/片耳難聴/バイセクシュアル当事者として、社会のマイノリティをテーマに記事や小説を執筆中。
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