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上原氏の話を聞く限り、疑問点が多いと言わざるを得ないこの「V3ファンデーション」だが、付録としての発売を予定している美容雑誌があるという。美容に関心の高い人ならばほとんどが知っているであろう有名誌だ。これまでに幾度も「V3ファンデーション」を誌面で取り上げており、なんとこの度付録として発売する。
これには上原氏も怪訝な表情だ。
「残念だなと思うのは、一般の人よりは美容リテラシーが高いはずのメディアが見抜けないことですね。お金の関係で受けているのかもしれませんが、プライドを持って自分たちが記事や付録にするものは調べていただきたいなと思います。SNSに書いてあることは信用しなくても、雑誌やメディアが取り上げると信じてしまう人は多いと思います」
最後に、私たちが持つべき美容リテラシーについて上原氏に話を聞いた。
「私がいつも言っているのは、製品を持って『〇〇使ってみました!』と投稿しているインフルエンサーを沢山見かける商品は、ステマ(PR案件と公表せずに、自分の個人的なお気に入りのような形でおすすめをする広告手法)だと思ったほうが良いということ。
PRで稼いだお金で食べている人もいるわけですから、インフルエンサーが使っているものは危険な傾向すらあると思います。普段の投稿のトンマナ(SNS等のアカウント独自の一体感のある表現方法)を無視していきなり商品を出してきたらそれはステマの可能性が高いです。
確実に言えるのは、『勉強している人の意見を聞くべき』ということですね。本当に化粧品のことを知っている人かどうかを判断基準にすると良いと思います」
「V3ファンデーション」についての疑問点は、これまで挙げてきた点だけではない。Googleで検索をかけても出てくるのは販売店のサロンや代理店ばかり。メーカーサイトに辿り着くのは至難の業である。また、製造元は北海道の化粧品OEM製造を請け負う会社のようだが、箱にはMADE IN KOREAとある。韓国製であると様々なサイトに書いてあるにも関わらず、開発者が日本人であるという情報も出てくる。
ネットで話題になってはいるこのファンデーションだが、疑問を呈する専門家もいることを踏まえて、インフルエンサーや芸能人を信用するのか、貴方次第だ。
【上原恵理氏】
形成専門医・美容外科医・美容皮膚科医として美容クリニック及び大学病院に勤務。著書『
すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』(KADOKAWA)。
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上原恵理氏
<取材・文/火野雪穂>
97年生まれのライター。学生時代から学生向けメディアの記事作成などを行う。今春大学を卒業したばかりだが、いきなりのコロナ禍で当惑。