データでわかる、「GoToEat」の過ちと、菅政権・自公維新の無責任

第3波エピデミックでの新規感染者数変化率をみる

 ここで第3波エピデミックの期間である2020/09/01以降のみを切り出します。100万人当たり日毎新規感染者数(ppm)と二週間変化率(%)*を比較してみましょう。 〈*任意の日から2週間の値の合計と、その前2週間の値の合計の変化率である。一週間変化率もあるが、休日などの影響を軽減する為と統計の精度の兼ね合いもあるため、筆者は基本的に二週間変化率を採用してきている。OWIDも二週間変化率を初期から採用している。東京都は以前、二週間変化率を公表してきたが、第2波エピデミックが深刻化する過程で突然二週間変化率の公表を取りやめたことを筆者は記事中で強く批判している〉
日本と韓国における100万人当たり新規感染者数の推移(ppm Raw DATA)

日本と韓国における100万人当たり新規感染者数の推移(ppm Raw DATA)2020/09/01-2020/12/09
OWID/JHU

日本と韓国における新規感染者数二週間変化率の推移(%)

日本と韓国における新規感染者数二週間変化率の推移(%)
OWID(JHU)

 日毎新規感染者数の推移は、曜日変動が綺麗な規則性を持っており、前週同日比*を追うと傾向がよくわかります。一方で、よく報じられる前日比には殆ど意味がありません。本邦の場合、明らかに11月の3連休明けである11/24(火)前後から前週同日比の伸びに強いブレーキがかかっていることがわかります。但し、3連休効果もあって注意を要します。11/28(土)頃になると日毎新規感染者の倍加時間がたいへんに長くなっている(増加率が下がっている)ことが明らかとなり、実効再生産数の計算法によってはR0≦1となり第3波は謎の収束に移ったと喜ぶ向きもありましたが、筆者はその考えは誤りだろうと評してきています。本連載でも基本的に第3波の増加傾向は大減速しながらも継続していると言う見解を継続してきています。 〈*その日と前の週の同じ曜日の比較〉  明らかに11月下旬を持って第3波エピデミックの勢いは大きく下がっており、その変化と原因を見定める為には12月初旬までかかると言うことを筆者は論じてきました。現在筆者は、倍加時間50〜60日程度(最盛期には倍加時間11〜12日程度)で第3波エピデミックは進行中であり、クリスマスと年末年始、今後の自粛疲れ、寒さが厳しくなることから、先の見込みは変わらず暗いとしています。謎の第3波エピデミック進行速度の減速によって恐らく一月強ほど本邦は時間を稼いだことになりますが、その間に公的介入を主としたエピデミック収束策をとらねば1月2月にはたいへんなことになりかねません。そういった中、菅政権、自公維新は国会を閉じてしまいました。とんでもないことです。  菅政権と自民党、公明党、維新は、ウィルスとの戦いの中で敵前逃亡してしまいました。これは許せないことです。

11月中頃の「急ブレーキ」

 ここで二週間変化率をみると、本邦における第3波エピデミックの最盛期は、10月下旬から11/23迄であったことがわかります。この時点で最短倍加時間*は、11〜12日程度でした。このことは一週間変化率からもわかり、本邦における第3波エピデミックは、10月下旬から11月下旬までの一ヶ月が第一の最盛期であったと考えて良いです。 〈*倍加時間とは、ある数(量)が二倍になるまでの時間。この場合は、日毎新規患者数が二倍になるまでの時間。ドラえもんのバイバインの話では、「くりまんじゅう」の倍加時間が5分であった〉  なお本邦におけるPCR検査数(人数)は、慢性的に過少です。現在は検査数が1万人から5万人強の間を週間変動しており、千人から二千五百人の新規感染者数に対して本来はあと10倍の検査数が求められます。これは検査漏れによる発症者、無症状感染者の見落としを防ぐ為*で、本邦以外の全世界における共通認識です。但し現実にはもっと深刻な問題があり、筆者は本邦の統計は5月から既に壊れていると判断していますが、示度と割り切った上で目安として使っています。 〈*計測の知識や経験があれば、例えばデジタル・ストレージ・オシロスコープのサンプリングレートを考えれば良い。サンプリングレートが測定現象の周波数の10倍を割り込むとサンプリング負けして、正しい波形を再現することが難しくなる。特に非定常現象の場合は10倍でも足りない。現在見ている現象も非定常現象である〉
日本における10/1以降のPCR検査人数推移(人数 線形)

日本における10/1以降のPCR検査人数推移(人数 線形)
OWID

 当然ですが、実際に生じた感染と言う現象は、統計に10〜14日程度先行しますので急速な感染拡大は10月初旬に始まり、11月中ごろに何らかの急ブレーキがかかったことになります。一体何が生じたのでしょうか。  本稿では、第3波エピデミックの激化とその停滞について一仮説を論じて行きます。
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統計で推測される「GoTo Eat」の過ち
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『日本を壊した安倍政権』

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