小池都知事と菅首相は、私利私欲でコロナ感染拡大を招いた“亡国コンビ”

3回目の声掛け質問にも、無言で立ち去った小池知事

 特に小池知事には、3回同じ声掛け質問をした。1回目は11月20日(金曜日)の定例会見。この日も指名されなかった筆者は、会見終了と同時に大声で質問した。 「菅さんにGoToキャンペーン中断、申し入れないのですか。東京除外している時より感染者数、増えているではないですか。見て見ぬふりをするのですか。(菅さんが官房長官から)総理大臣になったら物を言わなくなったのですか。言いなりですか」  小池知事はこの時も、無言のまま立ち去った。  この4日後の11月24日に小池知事は菅首相と官邸で面談、てっきりGoToキャンペーン中断の申入れをしたかと思ったが、「国と連携をしながら対策をしっかりやっていく」と言うだけで、会談内容を具体的に説明することはしなかったのだ。  そこで翌25日の臨時会見でも、咳き込んでいた小池知事に対して体調を気遣いながらの声掛けをした。 「知事、体調は大丈夫ですか。発熱していませんか。PCR検査を受けたのですか。GoToトラベル、国に丸投げでいいのですか。無責任ではないですか。職務怠慢ではないですか。全国に感染を広げることになるのではないでしょうか」  小池知事はまたもや無言のまま立ち去った。  11月20日と24日と27日の3回、筆者は東京除外要請について聞いたのだが、小池知事はすべて沈黙を通したのだ。

感染拡大でも引くに引けない菅総理の「事情」

小池知事との不仲説が流れる菅義偉首相

小池知事との不仲説が流れる菅義偉首相

 一方、菅首相がGoToトラベル東京除外を自ら即断即決しない心情は容易に想像がつく。官房長官時代の国政選挙の“殺し文句”が「インバウンド(訪日外国人観光客)の増加」だった。 「2020年に4000万人、2030年には6000万人」の目標を口にしながら「全国の観光地は外国人観光客で溢れ返るようになり、下落傾向だった地方の地価がホテル建設ラッシュなどで上昇に転じた。インバウンド4000万人は射程に入った」と成果をアピール、去年7月の参院選でも、故郷秋田での自公推薦候補の応援演説で、次のように語っていた。 「秋田県に宿泊する外国人の数は2万8000人でしたが、今は11万4000人ぐらいになっているのです」「地方の地価は25年間、ずっと下落でした。『人口減少で、もう上昇することはないだろう』と言われていましたが、今年(2019年)、27年ぶりに地価が上昇しました。これはやはりインバウンドの影響が大きかったと思います。どこに行ってもホテルが足りない状況です」  しかしコロナ禍で状況は一変。「2030年に6000万人」の旗を掲げた安倍前首相や菅首相に煽られた観光業者はホテル新設や改築の先行投資に励んだが、インバウンド需要蒸発で地獄の底に突き落とされた。  しかもコロナ不況下に首相が辞任、尻拭いを一手で引き受けることになった菅首相にとっては、観光業者救済は至上命題なのだ。「インバウンドバブルを煽った疫病神」といった批判が観光業者から噴出すれば、次期衆院選での大幅な減票(議席減)を招く恐れがあるからだ。  だから菅首相はGoToトラベル中断を自ら決めるのではなく、自治体の要請を受けて決断した形を取りたかったのではないか。そして小池知事は、菅首相の弱みを見透かした国に判断を丸投げしたのではないか。どこまでも国民のことより、自分たちの利益や感情でしか動かない連中である。  いずれにしても、一国の総理と首都のトップが緊急感染対策を即断即決できないのは、大問題としか言いようがない。こんな状態がいつまで続くのか。ご乱心状態のツートップから当分、目が離せない。 <文・写真/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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仮面 虚飾の女帝・小池百合子

都民のためでも、国民のためでもない、すべては「自分ファースト」だ