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今年もお歳暮の季節がやってきた。取り引き先や恩師に向けて、すでに贈り物の手配をしたという人も少なくないだろう。
とはいえ、近年では、この習慣が徐々に衰退しつつあるのも確かだ。矢野経済研究所の調査によると、お中元・お歳暮ともに売上高の減少が続いている。2015年にはお中元8180億円、お歳暮9995億円だったが、2019年にはお中元7300億円、お歳暮9100億円にまで市場が縮小しているのだ。
だが、今年はそのトレンドに変化が見られそうだ。コロナ禍で帰省をする代わりに、お歳暮を贈る人が増えるのではないかというのである。
楽天の調査によると、回答者1095人のうち、去年の年末に帰省した人は55.6%と過半数に上った。ところがこの年末に帰省する予定があるかどうか聞くと、65.2%が「ない」もしくは「検討中」だと回答している。
高齢の両親や義父・義母にコロナウイルスをうつしてしまうのではないかという懸念から帰省を見送る人が多いのかもしれない。実際、都内に住む30代の男性は「祖父が82歳なので、コロナが怖い」から今年は帰省しないと話す。
また、地方では、都市部から来たというだけで「感染源」のように見なされ、避けられることもあると聞く。こうした事情も帰省を躊躇する傾向に拍車を掛けているのだろう。