「ノーマスク集会」の国民主権党が、いろいろと一線を超える存在になっていた

都議の自宅に凸をする迷惑行為

 平塚正幸さんは11月28日、都民ファーストの会の東京都議・伊藤悠さんの自宅を訪問し、カメラを回しながら「抗議」という名の迷惑行為をしました。  政治家に対する抗議行動というのは正当な理由があれば否定されるべきではありませんが、わざわざカメラを回しながら自宅を訪問する行為が、ただの迷惑でしかないということに気づかないあたりは師匠の立花孝志と同じです。 国民主権党の街宣2 他人の家の前で警察沙汰の大騒ぎを繰り広げた末に、午後からは賛同者たちが中目黒駅前で「コロナは嘘」とか「マスクを外そう」などと訴えるデモを展開。駅を利用する人たちは、彼らの存在を気に留めることもなく通り過ぎていました。  そもそもどうして平塚正幸さんが抗議しているのかと言えば、東京都は新型コロナウイルスの感染が深刻で、症状があったり、濃厚接触者となっている人は必ずPCR検査を受けなければならないという条例を作ろうとしており、もし検査を受けなかった場合には罰金を取ることも検討しているのです。そして、この罰則付き条例を可決させようと、その先頭に立って活動しているのが、都議会与党「都民ファーストの会」の伊藤悠さんなのですが、平塚正幸さんは「強制的にPCR検査を受けさせるのはおかしい」と言うわけです。 PCR不要を訴える看板 もちろん、PCR検査を必ず受けなければならないというのは、症状があったり、濃厚接触が疑われるような人たちに限られます。体調に異変があるわけでもなく、感染者と接触したとも思えない人が強制的にPCR検査を受けさせられるというわけではありません。もちろん無料です。もし新型コロナウイルスに感染していたら、多くの人に感染させてしまう可能性があるわけで、それがお年寄りだった時には亡くなる可能性もあるのです。今の日本で自費のPCR検査を受けようとすれば、最低でも1万円以上かかってしまうような相場なので、「払えるかいな!」という人はたくさんいると思うのですが、無料であれば文句もないでしょう。逆に、発熱があったり、咳が止まらなかったりすれば、早くPCR検査を受けたいぐらいですし、濃厚接触者になってしまったのだとすれば、自分の安全を確認したいところではないでしょうか。

陰謀論に賛同する人たち

 重症者が増え、死亡率も高まりつつある中で、「コロナはただの風邪」と言ってしまうのは、どこからどう見てもカルトにしか見えないわけですが、どうして平塚正幸さんの言っていることに賛同する人たちが現れてしまうのか。そこには「陰謀論」があります。  平塚正幸さんの主張では、新型コロナウイルスはメディアが作り出したフェイクで、どうしてこのようなフェイクを流しているのかと言うと、人々を思い通りにコントロールするためだというのです。「マスクをつけなければなりませんよ」と大々的に流せば、人々は言われた通りにマスクをつける。「PCR検査を受けなければなりませんよ」と大々的に流せば、人々は言われた通りにPCR検査を受けるようになる。これは政府やメディアが人々をコントロールするための一環として行われているもので、その先の未来には、自分たちに一切の自由が与えられない世の中だというのです。  彼らの中では「密になってはいけない」というのは、人々が集まって生まれる絆を分断し、一人にさせることで思考能力を奪おうとしているのだというわけです。だから、わざわざ時代に逆行して「密になろう」と訴えているのです。  しかし、新型コロナウイルスは残念ながら、平塚正幸さんの言うような陰謀論ではありません。なぜなら、現代社会で最も大切にされているのは「お金」です。これだけ感染者が増え、全国で医療崩壊の危機が囁かれていても「GoToトラベル」をやめられないのは、新型コロナウイルスで死ぬ人が増えることより、会社がたくさん潰れる方が困ると考えているからです。飲食店にしろ、ホテルにしろ、旅行会社にしろ、どんなビジネスも、たくさん人を集めた方が儲かります。人々の心理からすれば、ほとんどの人は新型コロナウイルスさえなければ、なるべく密になりたいと思っているもので、それは政治家も同じです。ただ、日本の政権政党は無能なので、台湾やニュージーランドのような成功例に学ぶことができず、政治の力ではなく、国民の努力でどうにかなったらいいなと思っているに過ぎないのです。
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科学軽視はトップダウンで生まれている
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