昨年は
オランダ代表の
ダンカン・ローレンスが優勝を決めたユーロビジョン。前述のように2020年大会は来年に延期されてしまったが、ガッカリすることはない。日本時間の29日(日)深夜25時より、「
ジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテスト」が行われるのだ。
大会公式ホームページやYouTubeから視聴できるので、興味のある方は是非ご覧になってほしい。
2003年よりスタートした同大会は
ユーロビジョンのジュニア版で、今年は現在2連覇中の
ポーランドでリモート開催される。これまで
ポーランド、
ロシア、
ベラルーシが各2回ずつ優勝を決めており、そのほかにも
ウクライナが優勝を果たすなど、
東欧諸国が強いのが特徴的だ。参加者の年齢は
10〜15歳で、楽曲は大人との共作も認められている。
そんなジュニア・ユーロビジョン、まずは今年の参加国を見てみよう。
ベラルーシ、フランス、ジョージア、ドイツ、カザフスタン、マルタ、ポーランド、ロシア、セルビア、スペイン、オランダ、ウクライナ
まず注目したいのは
2連覇中で2年連続の母国開催となるポーランド。今年の代表アーティストは
Ala Traczだ。英語/ポーランド語を取り入れた「
I’ll Be Standing」のミュージックビデオでは、
柔道教室を舞台とするなど
日本人としても応援したいところ。見事「一本」を決めて、大会史上最多の3度目の優勝を母国にもたらせるか。
続いては、こちらも強豪国である
ベラルーシの
Arina Pehtereva。王道とも言えるバラード調の「
Aliens」は歌唱力がストレートに伝わるだけでなく、途中
ラップパートも入るなど
スケール感は大人顔負けだ。政情不安定な母国に明るいニュースを届けられるかもしれない。
オランダの
Unityは
全参加アーティスト中、唯一のグループ。その名の通り、
多様なバックグラウンドを持つメンバーの団結力とハーモニーが鍵になりそうだ。「
Best Friends」のミュージックビデオでは
ダンスも披露しているので、決勝でのパフォーマンスにも注目したい。
最後は
全参加アーティスト中、2人しかいない男性のうちの一人、
セルビアの
Petar Aničić 。2006年生まれの彼は、公式サイトによると
4歳(!)から楽曲制作をしているそうで、優勝すれば母国に初の栄冠をもたらすことになる。「
Heartbeat」は、
落ち着いたトーンのなかに歌声が光るポップスの好曲なので、決勝にも期待が持てそうだ。
コロナショックのなか、欧州に、世界に元気を与えてくれるであろうジュニア・ユーロビジョン・ソング・コンテスト。まずはこちらをチェックして、来年開催されるユーロビジョン・ソング・コンテストを楽しみにしたい。
<取材・文/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン