すかいらーくグループ、系列レストランでの「除菌ミスト噴霧」を再開。一部店舗では「水です」と客へ説明

加湿器から噴霧される除菌ミスト

「空間除菌中」のラベルシールが剥がされた加湿器から噴霧される除菌ミスト(左:今年11月、右:今年7月)

再開された「すかいらーく」の“空間除菌”

 今年8月、本メディアで報じたすかいらーく系店舗における除菌液“アピノンエアー”の噴霧問題(参照:すかいらーく系レストランでミスト噴霧される謎の除菌液は大丈夫なのか? その正体を追ってみたすかいらーく系レストランでミスト噴霧される謎の除菌液。運営会社によって主張が食い違う「成分」)。その後、加湿器を各店舗から撤去したすかいらーくグループが11月2日から「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など全国のブランドレストランにおいて、超音波加湿器による除菌液のミスト噴霧を再開していることが判った。しかし今回、加湿器から「空間除菌中」などのラベルシールが剥がされており、何の表示もないまま再噴霧されている。さらに、店舗への問い合わせに対して除菌液の噴霧自体を隠すような指示が出された疑惑も浮上。実際に各ファミリーレストランを取材するとミストの成分について食い違いを見せた。

再噴霧を糊塗か?剥がされたラベルシール

 2000年12月期の最終赤字見込みが146億円となり、来年末までに不採算店舗など約200店の系列レストランの閉店計画を今月発表したすかいらーくホールディングス(HD)。  本メディアが今年8月に同レストランチェーンにおける除菌液の空間噴霧問題を報じた前掲の2記事との関連は不明だが、すかいらーく各レストランは報道後にミスト噴霧を取りやめていた。しかし、11月に入り超音波式加湿器による除菌液噴霧を再開した。しかし、その一方で今回、再噴霧を隠蔽しているとも取れる情報を得た。ある店舗の従業員はアピノンエアーの再噴霧に際し、除菌液のミスト噴霧を糊塗するような指示を受けたと証言する。 「店舗への問い合わせは『加湿しています」と回答してくださいと言われていますが、『成分は?』と聞かれて『ただの水です』と嘘のようなことも答えられません」  筆者が複数のすかいらーくレストランを現地調査したところ、加湿器本体から「空間除菌中」「次亜塩素酸不使用」「天然由来の成分」といったラベルシールが剥がされており、噴霧している液体についてレストラン従業員に聞くと「アピノン」「前と同じ」「水です」と2種の異なる回答だった。しかも、ある店舗ではラベルシールを剥がすよう指示があったという。もはや、誰のためにそして何のために噴霧しているのかも判然としない状況だ。
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各レストランを現地調査。その結果は……
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