以下は筆者が実際に各系列レストランを訪ねて、加湿器から何が噴霧されているのか、そしてラベルシールはなぜ剥がされたのかを調査した際の従業員とのやり取りだ。
【A店】 (スープバー横に設置された加湿器には「希釈率10倍」とのラベルシールのみ貼付け)
――あの加湿器からは何が噴霧されているのですか?水ですか?
「あ、そうです」
――以前は「次亜塩素酸不使用」などと貼ってありましたよね?
「お水ですね」
――「10倍希釈」と貼ってあるのは?
「あ、剥がし忘れていて」「入っているのはお水になってます、今」「今はお水ですね」
――加湿のために?
「はい」
「希釈率10倍」のラベルシールのみが残る加湿器(左:今年11月、右:今年7月)
【B店】 (入口から客席に向かう通路脇に設置された加湿器にはラベルシール無し)
――加湿器には以前「次亜塩素酸不使用」などと貼ってあったが、噴霧しているものが変わったのですか?
「前のアピノンというあれですよ」
――除菌剤?
「そうです、変わらないです」
――前は(ラベルシールを)貼ってましたよね?
「ありました、前のは」
――あれは貼ってないですね
「これは従業員控室の」
従業員控室に設置してあったものと置き替えたという。
――一回無くなりましたよね
「無くなりました」
――また冬の時期に出したと?
「そうだと思います」
撤去後に加湿器を従業員控室のものと置き替えたケースも(左:今年11月、中:今年10月、右:今年7月)
【C店】(レジ奥に置かれた加湿器にはラベルシール無し)
――あの加湿器、前はラベルシールが貼ってましたよね?
「はい、同じです」
――なぜ剥がしたのですか
「シール跡が汚くて。見た目が汚らしくて」
――中身は前と同じですか
「中身は一緒です」
――除菌液?
「そうですね」
――一時期、撤去してましたよね?
「夏は加湿になっちゃうと湿度の関係で」
――この11月からは?
「また乾燥してきますので」
【D店】(各種バーの近くに設置された加湿器にはラベルシールを剥がした跡)
――加湿器から噴霧しているのは何ですか?ただの水ですか?
「水だと思います」
――7月に来た時には「空間除菌中」と貼ってあったが今は違うのですか?
「店長がやっているのでちょっと判らないです」
――いつからやりだしたんですか?
「今月の始めからです」
ラベルシールを剥がした跡が残るミスト加湿器
【E店】(レジ横に設置された加湿器にはラベルシール無し)
――これは何を噴霧しているのですか?
「水分と空気清浄機に入れる用の薬品というか薬用のものがありまして。それの配合物を散布しております」
――ただの水ではないのですか?
「ただの水だけじゃないんです」
――以前はラベルシールが貼ってありましたよね?
「前に出していた時には貼ってあったんですけど、『取るように』という指示があって取っちゃたんです」「前回と同じ配合物が入っております」
筆者が確認した限り、どのグループレストランにおいても加湿器のラベルシールは剥がされていた
一部店舗では加湿器の中身を「水です」と答えており、事前に入手した情報と一致する。一方、各店舗で共通しているのはラベルシールが剥がされていたことだ。
各運営会社のお客様相談室に問い合わせた。
すかいらーくお客様相談室は、加湿器の“中身”について「
春先のものと同じ空間除菌の作用のあるものを購入しての噴霧ということになっております」と回答、ラベルシールが剥がされていることについては
特段の意味はないとした。
「何か意味合いがあるかというと無いと思うのですが、おそらく春先に使用していた後に洗浄をしているので、そこで綺麗にしてしまった時に剥がしてしまって、そのままつけていない状態での設置となっているのだと思います」
一旦撤去した加湿器を今月から再度設置していることについては「
夏場はクーラーしてしまうと結露やカビとか違う懸念のことが起きてしまって」「
11月から乾燥対策で」とその理由を挙げ、“空間除菌”への批判等によって撤去していたわけではないと強調した。
ニラックスとトマトアンドアソシエイツ同相談室の担当者は、それぞれすかいらーくグループで同じ体制だと答えている。
「グループ一緒で11月2日から再開させていただいてます」(ニラックス)
「おなじグループなので同じ日付で再開させていただいた。ちょうど再開をする切り替えの時期。(加湿器の一時撤去は)グループで一旦下げるということだったので足並みを揃えるということで同じ理由」(トマトアンドアソシエイツ)