文献調査応募に反対する沢村国昭・寿都町議。住民投票条例には賛成の立場だ
住民訴訟勝訴で文献調査応募が撤回される可能性も十分にある。11月13日の審議では、あたかも町議会がお墨付きを与えたかのように説明してきた町長が、訂正に追い込まれる場面もあった。
住民投票条例賛成の沢村国昭町議が
「町議会で文献調査の審議がなされていない」と町長を問い質し、町長の独断で応募したことを認めさせたのだ。これについて沢山町議はこう説明する。
「(町長が文献調査について話をしたとする)『全員協議会』は協議する場で、議決をする場所ではない。議決をするのならば臨時議会など定例会にはからないといけない」
また沢村町議は、最終処分場選定の法律についても
「民意が反映されない欠陥法だ」と問題視していた。
「町長は『文献調査は最終処分場建設に直結しない』と言っている。しかし、法律には『市町村長や知事の意見を国が聞く』ということにはなっているが『止められる』とは書いていない。文献調査の後は第二段階の概要調査、第三段階の精密調査へと進んでいく。文献調査に応募したら、国はどんなことをやっても最終処分場建設をやってくると思う」(沢村氏)
いったん応募したら、最終処分場建設を押しとどめるプロセスがない
吉野寿彦・共同代表が町内で経営するカキ小屋。豊かな海産物と自然を活かした地域振興に取り組み、町長の原発マネー依存路線とは正反対の道を目指している。
実は、澤山氏も全戸配布チラシで
「最終処分場選定の法律は欠陥法である」ということを強調、これを廃止して作り直す必要性を訴えていた。
「(選定プロセス第二段階の)概要調査地区を定める場合には、その地区の市町村長や都道府県知事の『意見を聞き、これを十分に尊重しなければならない』(5条1項)と規定するが、『尊重』とは市町村長や知事の意見が通るのか、ただ承って『尊重』するだけで無視してもいいのか、はっきりわかりません。
いったん応募したらNUMO(原子力発電環境整備機構)がすることを押しとどめる法的プロセスも正規に設けられていません。こんな反民主主義的法律はいったん廃止し、国民全体の議論を経て新たに作り直す必要があります」
実体験をもとに警告を発する澤山氏と、片岡町長の応募を問題視する沢村町議の見方はぴったりと一致したのだ。