詐欺業者が跋扈![持続化給付金]申請代行を直撃

 収入が半減した人を支援するための持続化給付金が全国で悪用されている。不正摘発の多さから“自首”する人まで続出しているが、いかにして彼らは不正に手を染めたのか? 指南役と言える申請代行業者を直撃した。
持続化給付金詐欺

経済産業省のポスター

1億円バラ撒きキャンペーンを悪用して給付金を詐取する輩

 持続化給付金制度が今なお悪用されまくっている。昨年の収入を偽り、不正に100万円をゲットする輩が跋扈しているのだ。7月に山梨県の学生が詐欺容疑で逮捕されて以降、摘発された人数は延べ70人超。こうした報道を受けて今、6000人を超える不正受給者が「返金」を申し入れる事態にまで発展している。数十人の返金手続きに携わった税理士が現状を語る。 「ほとんどが『いつ逮捕されるかわからないので一刻も早く返したい』と駆け込んできた20代のサラリーマン。親にバレて、連れてこられた人もいました。手口はどれも一緒で、メルカリなどで得た昨年の収入を水増しした雑な確定申告書を税務署に提出して、その申告書をもとに持続化給付金をもらうというもの。この申告内容を正すには、結構な手間がかかるんです。水増しした経緯を詳述した書類を作成して税務署に提出し、判をもらった書類を弁護士に渡して初めて返金手続きが可能になる。費用は約30万円、返納するのに2か月かかります」

「持続化給付金」不正摘発の数々

7月22日 山梨 詐欺容疑で埼玉在住の男子大学生を山梨県警が逮捕 9月 京都 20代と30代の男2人を逮捕。被害総額は4億円超 沖縄 税理士2人が1800件の虚偽申請に関与し5億円超の報酬 沖縄 『沖縄タイムズ』社の40代社員が不正受給で逮捕 千葉 男子大学生が逮捕。同県で初めての摘発 愛知 愛知大野球部所属でドラフト候補だった男ら2人を逮捕 東京 男3人を逮捕。1億円以上を不正受給 10月 広島 詐欺の指南役など4人を逮捕。被害総額は1000万円超 福島 暴力団幹部を含めた男2人を逮捕。同県では初 兵庫 170件の不正受給の申請を代行した2人を逮捕 京都 指南役に加えて同志社大学の学生ら計5人を再逮捕 山梨 不正受給の手口を指南した疑いで20代の男女5人を逮捕 滋賀 知的障害者の男性が不正受給させられていたことが発覚 東京 詐欺の疑いで少年2人を含む男6人を逮捕 広島 100人分、計1億円の虚偽申請を行った男女4人を逮捕 東京 元暴力団員ら2人を不正受給の疑いで逮捕 群馬 自称コンサルタントの男を逮捕。同県初の摘発 熊本 詐欺容疑で男6人を逮捕。九州初の摘発 11月 京都 共謀して不正受給を繰り返した学生ら3人を逮捕 神奈川 不動産役員ら4人を逮捕。被害は6000万円以上 鹿児島 千葉の学生を逮捕し関与した鹿児島の学生を取り調べ
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申請代行で1000万円以上の副収入を得た男を直撃
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