▼脱カーボン
再生可能エネルギーのインフラ整備に向けて4年間で2兆ドル(約206兆円)を投資。2050年までに米国全体で温室効果ガスの実質排出ゼロ(ネットゼロエミッション)を目指す。
▼Buy American(アメリカ製品を買え)
米国製品の購入促進を狙い、国内拠点の商品・サービスの連邦政府調達に4年間で4000億ドルを拠出するほか、公共事業で自国製品の使用を促す運用を厳格化する。
▼人種間格差の是正
黒人やヒスパニック、先住民らの中小事業経営や住宅取得の支援に公的資金を注入する。一方で、「私かトランプか投票に迷っているようなら、黒人じゃない」といった不穏発言も。
▼経済よりもコロナ対策
「誰もが検査、予防、治療を無料で受けられる態勢の整備」をうたい、国民のマスク着用の義務化まで提唱する。経済再開には8段階の計画を設けて慎重姿勢。
▼オバマケアの拡充
オバマ政権の継承者を自任しており、肝いり政策だったオバマケアの保険加入期間の延長など拡充策を訴える。ただ、10年間で計2兆2500万ドルもの支出増が指摘される。
▼寛容な移民政策
トランプ政権の象徴である、メキシコとの国境の壁建設工事打ち切りを明言。また、不法入国した移民の子どもへの学資援助やイスラム教国からの渡航禁止の撤廃にも前向き。
▼富裕層・企業への増税で4兆ドル
所得再分配による低所得者救済のため、連邦税の最高税率を2.6%、法人税を7%引き上げる方針。10年間で最大4兆ドルの歳入増につながると試算される。
▼インド太平洋構想継続で対中包囲網
中国をけん制する狙いから日本・オーストラリア・インドとの軍事連携を堅持するスタンス。ハリス副大統領がインド系ということもあり、米印関係が強化される公算が大きい。
トランプ大統領は選挙の不正を訴え、法廷闘争を辞さない強気の構えだ。
しかし、蟹瀬氏は「これまでの悪行を見逃してもらい逮捕を免れるのなら、トランプは右翼勢力を抑え平和的な政権移譲の見返りに捜査当局と裏取引をするかもしれません」と話す。
ただ事業は不振で4億ドルの借金も。去ってもイバラの道だろう。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!11月10日発売号より