多様性、党派間の協力、アメリカの魂と神……。ジョー・バイデンは勝利演説で何を語ったのか

アメリカ国民をのせて羽ばたく鷲

「選挙戦の終盤、私は家族、特に亡くなった息子のボウにとって、とても大切だった賛美歌について考えていました。私を、そしてアメリカ支えているであろう信仰を捉えています。  今年、恐ろしいウイルスによって愛する人を失った、23万以上の家族への励ましと慰めになると願っています。私の思いはあなたたちすべてに向けられています。この賛美歌が癒しになるといいのですが。  そして彼(神)はあなたを鷲の羽にのせる。夜明けの息吹に付き合い、太陽のように輝かせる。そして、彼の手のひらで抱くだろう」  最後は再びキリスト教、そしてアメリカのシンボルである鷲で締めくくっている。このように、バイデンの勝利演説は選挙戦で報道されていたほどリベラルなものではなく、むしろ保守的なメッセージが多く読み取れた。それはこの4年間の分断の深さを示すものだろう。はたして、この演説で語られたような「癒し」によって、その傷口を埋めることができるのか。大統領としての歩みに期待だ。 <取材・文・訳/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
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