「決裁前に任命拒否を知っていた」菅総理の衝撃答弁を信号無視話法分析
支離滅裂な菅総理の答弁
質問に対する菅総理の回答を集計した結果、下記の円グラフのようになった。
<色別集計・結果>
●菅首相:黄信号73% 青信号20% 灰色7%
*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない
黄信号が約7割を占めている。青信号は2割にとどまっているが、この中に冒頭で紹介した問題の答弁が含まれている。いったいどのような質疑だったのか詳しく見ていきたい。
また、実際の映像は筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で視聴できる。
6名の任命拒否を菅総理が知ったのはいつ?
まず、辻元議員は6名の任命拒否を菅総理はいつ知ったのかということに焦点をあてて、質問を重ねていく。その中で、突如として問題の答弁が飛び出してくる。その質疑は以下の通り。
辻元清美議員(1問目):「そうすると総理はですね、『懸念は伝えた』と。しかし、具体的に『こういう6名の方がこうこうこういう理由で、えー、任命から外されました』という説明は、えー、受けてないということですね。具体的な名前を入れて。」
*菅総理は官僚が差し出したペーパーを確認し、答弁に立つまでに15秒ほどかかる
菅義偉総理:「先ほども申し上げましたように懸念や任命の考え方を官房長官や副長官を通じて、内閣府に、いー、それに基づいて、9月24日に内閣府が99名任命する旨の決裁を起案して9月28日に私のところに決裁が回ってきて、決裁を行ったということ。」(黄信号)
辻元清美議員(2問目):「今、同じ答弁されているんですよ。ですから、これだけ騒ぎになって6名の方のお名前ですね、加藤さんと宇野さんとか。具体的にこういう人が外れてたんだと総理が名前も認識したのは決裁の後ですか?」
菅義偉総理:「決裁をする前に、そのー、99人にするという話は報告を受けてましたから。」(黄信号)
辻元清美議員(3問目):「ですから、105名出されてて6人のこういう人が、えー、外されたんだということを総理が名前も含めて自覚したのはいつかと。決裁しちゃったけど、その後、大騒ぎになりましたよ。それで、こういう6人が外されてたのかと。まあ、その時にお知りになったということでよろしいですね。」
*総理の記憶を尋ねているのに官僚がペーパーを差し出したため、辻元議員が抗議する
菅義偉総理:「私が、その、99名の、その、決裁をする、うー、前です。決裁を、99人であがってきて、その前にこういう形であげますからという形です。」(青信号)
*これまでの菅総理の主張と異なるため、辻元議員は「えっ!?」と大きな驚きの声をあげる
辻元清美議員(4問目):「決裁のハンコを押す前にこんな6名の人が外されたという事を知ってたということですか?」
菅義偉総理:「そういうことです。」(青信号)
ここまでの4問のやり取りについて、内容を確認していきたい。
まず、1問目と2問目に対して菅総理は周知の事実(99名任命の決裁までのプロセス)を述べているだけで黄信号とした。注目したいのは、その直後の3問目の青信号の回答。
突如として、6名の任命拒否を知ったのは「99名の決裁をする前」だと答弁したのだ。これは、「任命前の105名のリストは見ていない」としてきた菅総理のこれまでの主張と矛盾するため、この答弁が出た瞬間、辻元議員を始めとする野党議員からは驚きの声があがり、時間が止まったかのような混乱した雰囲気が委員会室に流れた。この瞬間は筆者のYoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で公開している質疑動画の2分13秒から確認できる。
菅総理が決裁前に6名の任命拒否を知っていたことを認めたことで、この質疑はここから一気に動き出す。
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