原油価格の下落はアメリカ経済を後押しする

労働賃金の減少、原油価格の下落でアメリカ経済に難癖をつける輩がいる。そんな不安など今のアメリカ経済には取るに足らないことだとぐっちーさんは語る。果たして、その真相とはいかに!?

まさに絶好調! アメリカ経済に心配はなし!!【後編】

(現役金融マン ぐっちー氏) ⇒【前編】  エネルギー産業全体を入れてもせいぜいGDPの1割もいかないのですから、全体で見れば原油価格の下落によるプラスの影響のほうがはるかに大きい。ここを見誤ってはいけないわけで、原油安で株価が下がりました、などと平気な顔で報道しているのはとんでもないわけです。  一時的にそういった相場が下がるのは、産油国やアラブの王様などが、収入減により資産を売却して補填する可能性を見ているからで、事実サウジのいわゆる「国富ファンド」によるアメリカ株売却が確認されています。クウェート、UAEなども同様に動いているはずで、ましてロシアはその大半が資産凍結されているので、動ける資金があるなら全力で現金化に走るはずです。  従って原油安は雇用にはもちろん、アメリカ経済にとってはプラスの効果以外なにもないのです。アメリカは現在あくまでも原油の輸入国、ということを忘れてはいけません。  順調な雇用の回復にさらに原油価格の下落というラッキーを得たアメリカ経済。ますます絶好調となるわけですね。 【今週の数字】 ’14年12月の非農業者雇用者数 25万2000人 アメリカ雇用統計の中でも、失業率と並び重要視される指標のひとつ。今回の数字も市場予測を上回り、前月の数字も上方修正になるなど好調。今後の増加も期待される 【選者】現役金融マン ぐっちー氏 ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://sweetpoolside.jp/)を主宰している 図版/ミューズグラフィック