これを、世の中で広く使われていて瑕疵がない商品を購入したいと思っている
「安定保障型」の人に、新製品だからお勧めですよといくら言っても商談ははずまない。逆に、新しい商品にすぐに飛びつきたがる
「目標達成型」の人に、世の中に普及していてシェアN0.1ですよといっても、聞く耳を持たれないということになってしまう。
要は、お客さまのモチベーションファクターを見極めて、
モチベーションファクターに合ったアプローチや、クロージングをしていけばよいということになる。
実はこの手法は、
有績者の行動と話法を分解して、モデル化したものだ。会社が新商品を売り出すたびに、モデル話法がつくられて、営業担当者に周知徹底される。しかし、このモデル話法、製品の特長をつかんでいることが多いとはいえ、肝心のお客さまの購買モチベーションファクターに響くとは限らない。新商品キャンペーンのモデル話法を使ってみたが、お客さまに響かなかったという経験をした人は少なくないに違いない。
優績者は、
一人一人のお客さまに合わせた話法を展開している。それをモデル化すると、
顧客のモチベーションファクターに合わせた話法展開をするということになるのだ。
質問:モチベーションファクターの点数から何が言えるか
モチベーションファクターの点数によって、いったいどのようなことが言えるのでしょうか? 以下は、6人のモチベーションファクターの実例です。
回答:何によってモチベーションが高まりやすいかの見当をつけられる
Aさんは目標達成が高いので、チャレンジすることで意欲が高まりますが、逆に「無理するな」「ほどほどにしておけ」という言い方をされると、モチベーションが下がります。
Bさんは自律裁量が高いので、任されると意欲が高まりますが、「あれをやったか」「これをやったか」というマイクロマネジメントをされるとモチベーションが下がります。
Cさんは地位権限が高いので、責任ある仕事をすることで意欲が高まりますが、「誰でもできる仕事だから心配するな」という言い方をされるとモチベーションが下がります。
Dさんは他者協調が高いので、単独で行う仕事より、他の人と協力しながら進める仕事にモチベーションを高めます。Eさんは安定保障が高いので、ハイリスクハイリターンの仕事より、リスクを極小化する仕事にモチベーションを高めます。Fさんは公私調和が高いので、エッジの効いた取り組みをすることより、公私や仕事同士のバランスのとれた状態がモチベーションを高めます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第211回】
<取材・文/山口博>