アフターコロナに「買い」な街/「買い」じゃない街。郊外志向が高まり、利便性の高い駅の人気凋落が鮮明に

コロナ収束後に選ばれる「身の丈に合った住まい」

マネ得

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 実際、同じくライフルホームズが発表した今年4月以降の「問い合わせ減少率」を見てみると都心の繁華街である秋葉原、さらには新宿へのアクセスに秀でる仙川や笹塚、大手町のオフィス街への通勤者に人気がある西日暮里など、利便性がこれまで喧伝されてきた地域が並んでいることがわかる。  さらにこれまで「手堅い」と考えられていた地域にも想定外のリスクが浮上しているという。 「生産調整や閉鎖が懸念されるので工場に依存している街、リモート講義が定着すると大学最寄りの街もヤバいかもしれません。これまで都心へのアクセスがよくなくても賃貸ニーズが底堅いため、不動産価格が安定していました。しかし、今後はそうしたエリアで魅力的な物件が出てきても、致命的な悪い情報を公式発表前に知った投資家や業者が売り逃げている可能性があるので要注意。購入後に工場閉鎖やキャンパス移転などを知っても後の祭り。買って自分が住むにしろ、投資用物件として持つにしろ、街の価値が毀損されてしまうと結果的に“高すぎる買い物”になってしまいます」  それではアフターコロナに選ばれる街はどこなのか。前出の浅井氏が注目するのが旧分譲地だ。 「郊外でかつて分譲されていた『旧分譲地』は狙い目です。たとえば、埼玉県比企郡にある『鳩ケ丘』。この地区は『鳩山ニュータウン』として’71年から日本新都市開発により分譲された地域。区画は整然としていて、学校やスーパーなど生活に必要な施設も揃っています。これまで都心まで遠い点が敬遠され、衰退地域と思われてきたため、不動産価格は安く、500万円前後の中古戸建てもあります。4LDKのように部屋数が多く、仕事部屋を確保するのも容易な点もメリットです。同じ理由で東京の『多摩ニュータウン』、千葉で住友不動産が手がけた『野田市三ツ堀』も再評価が進むはず」  あかい氏もアフターコロナ時代の住まい選びは「街力」の見極めが重要と強調する。 「中野や高円寺、荻窪といった中央線沿線は地元で生活が成り立つエリアでメシ屋も飲み屋も、ずっと地元の人で賑わっています。こういう街はコロナによる経済停滞の影響を受けにくい。人気路線の東横線の新丸子、武蔵小杉といった街も飲食店がしぶとく活況。これらのエリアは都心へのアクセスもいいですが、徒歩圏内で生活を完結することができる強みがある。飲みにいくのに電車に乗るのは億劫ですし、アフターコロナ時代は街の力そのものが試され、同じ都内近郊でもエリアごとの優勝劣敗が鮮明になっていくはずです」  コロナ収束を見据えた街選びは、確かなシナリオをいち早く描くことこそ肝要のようだ。

問い合わせ上昇率・減少率ランキング

問い合わせ上昇率ランキング(2020年) 1位 八街 2位 姉ヶ崎 3位 大網 4位 相模原 5位 小田原 ▼問い合わせ減少率ランキング(2020年) 1位 秋葉原 2位 仙川 3位 西日暮里 4位 笹塚 5位 菊川
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