ポーランドで引っ越ししたらこうなった。世界遺産から徒歩5分・築116年の物件を家賃光熱費込みで月約6万円

団地とマンションは一長一短

ペット可の物件は日本よりは多少多い程度な印象

ペット可の物件は日本よりは多少多い程度な印象

 そして、もうひとつ重要なのは、建物の種類。日本での賃貸住宅はアパートとマンションが主だが、ポーランドでは大きく「ブロック」(団地のような集合住宅)と「カミェニツァ」(石造りのマンション)にわけられる。それぞれの特徴は下記のとおりだ。 ●ブロック  <メリット>  4階以上はエレベーターつき  専用駐車スペースつき  築年数が比較的新しい  <デメリット>  天井が低く、60㎡以上の物件は少ない  生活音が聞こえやすい  夏は熱がこもりがち  街の中心部からのアクセスは車や公共交通機関が多い ●カミェニツァ  <メリット>  天井が高く、中には100㎡以上の物件も  壁が厚いため生活音が聞こえづらい  熱を通しづらいので夏は涼しい  街の中心部から徒歩圏内にあることが多い  <デメリット>  床や壁、水まわりなどの老朽化トラブルが多い  エレベーターがついているものは非常に少ない  部屋が広いので暖房費が高くなる  近隣に駐車スペースが少ない  筆者が探した物件の条件は、寝室とリビングが別(2部屋以上)、ペット可、家賃が月1600ズロチ(約4万5000円)以下の3点。そのため、ブロックとカミェニツァ、どちらも多くヒットすることとなった。そのほとんどは「カヴァレルカ」と呼ばれる、独身/カップル向けの物件だ。

共益費が光熱費をカバーすることも

徒歩5分で世界遺産に登録されている旧市街に着く

徒歩5分で世界遺産に登録されている旧市街に着く

 筆者は海外生活が初めてということもあり、自分で調べつつも、仲介業者のIさんにも頼ってみたのだが、これは結果的に大正解。ポーランドでは家賃のほかに「チヌシュ」という共益費がかかるのだが、これに含まれる内容が物件によってまちまちなのだ。  共有スペースの清掃費などは日本と同じだが、電気やガス・水道などの光熱費がこれに含まれることもあるため、このチヌシュの内容と金額は非常に大きな意味を持ってくる。  また、光熱費などは日本のように個人で契約するのではなく、大家を介することも多いため、その金額やどちらがどれくらい負担するかというのは、交渉次第で変わってくる。仲介業者を挟めば、初期費用が多くかかることは間違いないが、こうした交渉にプロを挟むことで、暮らしているうちに得をすることもおおいにあり得るのだ。  筆者は約1週間、Iさんと6つほどの物件を回ったが、建物ひとつにつき大家や会社はひとつ……というのではなく、同じ建物でも物件ごとに大家がいることが当たり前なので、交渉力はさらに重要性を増す。
洗濯機など家電は元から設置済み

洗濯機など家電は元から設置済み

 こうして筆者が選んだのは、次のような物件だ。  ・ 街の中心部から徒歩5分  ・ 築116年  ・ 4階、約40㎡(ベランダつき)  ・ 家賃1400ズロチ(約4万円)  ・ チヌシュ250ズロチ(約7000円)  ・ テレビ/インターネット(約2000円)  ・ 敷金1400ズロチ(解約後は返却)  ・ ガスコンロ/オーブン、食洗機、冷蔵庫、洗濯機、ソファ&テーブル、机とイス、箪笥、棚、ベッドなどの家具や家電  テレビはないものの、ルーターなどはすでに設置済みで、ガスや水道も新たに契約する必要はないため、鍵を受け取ったその日から、生活できるようになっていた。さらに世界遺産に登録されている旧市街から徒歩5分とアクセスもいい。
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不動産エージェントも仲介業者も「クライアント・ファースト」
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