相変わらずな「おじいちゃん内閣」。多様性のない日本の内閣と諸外国を比較すると……。

閣僚に占める女性の割合も絶望的

 また、閣僚に占める女性の割合の低さも、諸外国と比較すると我が国は依然として際立っている。  たとえば、前述のフィンランドは19人のうち12人が女性で、これよりひとつ前の内閣も11人が女性だ。カナダのトルドー政権が2015年に発足した際には、男性15人、女性15人と男女同数の構成となり、その理由を記者に聞かれたトルドー首相が「2015年だから」と答えたことも大きな話題になった。  しかし本邦では、女性は上川陽子法相と、橋本聖子五輪相の2人のみとなり、人数に占める割合はわずか1割となった。  そしてそもそも、閣僚レベルの話をする以前に、日本は議員全体に占める女性の割合が低い国だ。内閣府の男女共同参画白書によると、女性議員の割合は今年の1月時点で衆議院が9.9%、参議院が22.9%となっており、世界で見ると191カ国中165位の低さになっている。

政治分野では完全な後進国

 この背景にあるのが、男女不平等だ。我が国がジェンダー後進国であることは、もはや国民の多くが認めていることだろうが一応振り返っておくと、世界経済フォーラム(WEF)が公表している「ジェンダーギャップ指数」によると、2019年時点の日本の順位は153カ国中121位。先進国で最低であり、とくに政治分野では144位とワースト10入りしている状況だ。  ちなみに、この統計で11年連続で1位となっているのがアイスランド。このデータによると、上場企業の役員比率が41.5%(日本は14.8%)、閣僚に占める女性比率は40%、女性首相の通算在位年数年もすでに21.9年に及んでいる。(日本ではまだ女性首相は誕生していない)  そんな女性首相という意味では、2017年10月に発足したニュージーランドのアーダーン内閣が思い出される。閣僚経験がないままジャシンダ・アーダーン氏は、ニュージーランドの政治史の中でも最年少である37歳3か月で首相に就任。翌年6月には女児を出産すると、現職の首相として初めて育児休暇を取得したり、国連総会に子供を同行させるなどの行動が世界的な注目を集めている。  多様な価値観を反映させることは、世界、少なくとも先進国ではマストの流れとなってきている。「おじいちゃん内閣」と揶揄され、年齢的には明らかな隔たりが存在する菅内閣だが、果たしてどのような成果や変革を我が国にもたらしてくれるのだろうか。 (※年齢はすべて当時) <文/テクモトテク>
1
2