韓国の統一教会系国際会議で小野寺元防衛相が教祖夫妻を賛美? 教団系機関紙が誤情報掲載

小野寺元防衛相の事務所は憤りを露わに完全否定

 真偽を確かめるため小野寺議員の事務所に問い合わせた。メッセージの依頼などを担当しているという政策秘書は「うちは韓国のそういうのは絶対にしない」と即答。天宙平和連合主催によるサミットであることを伝えると、合点がいったようで「絶対やってないですよ、うちはそこは触ってないです」と完全否定した。小野寺氏の発言とされる箇所については「まるでうちの小野寺がそれに参加して発言しているような」書かれ方だと憤りを露わにし「あの文面はどう考えてもうちの小野寺が言う内容じゃない」と呆れていた。  では如何なる経緯でこのような記事が書かれたのか。レポートの文章の内容からして韓国での報道などを翻訳したものと思われる。9月7日、FPU兵庫に問い合わせた。  機関紙を発行したFPU兵庫の事務局長によると、記事を執筆した文聖純FPU兵庫会長は文鮮明教祖の親族で、韓国からの情報を入れて書いたのではないかとのことだった。情報源のソースについては、韓国での報道や教団内のメディアの情報などが該当するという。 「韓国ともいろいろと行き来していて、いろんなものから引っ張ってくるので」 「こっち(日本)では判らない情報、韓国での情報はいち早く入るのでうちは。文鮮明教祖様のある意味情報なんかはすぐ入るので」  韓国では日本と違ってある意味アバウトで結構何でもありと笑う事務局長に、小野寺議員の事務所が否定していることを伝えると「早急に本人に確認して訂正しておく」とのことだった。

教団とUPFに質問書

 9日、教団松濤本部と天宙平和連合/UPF―Japanに質問書を送った。  FPU(平和統一總合)兵庫の機関紙『平和統一NEWS』の第132号の掲載内容を示し、小野寺事務所とFPU兵庫の見解を踏まえて以下の要旨の質問を記載した。 1.小野寺五典前防衛相が2月4日の世界平和国会議員連合の総会に出席した、またはビデオメッセージ等を寄せたという事実の有無 2.韓国において統一グループ系のメディアや一般のメディアで、小野寺五典前防衛相が2月4日の世界平和国会議員連合の総会に出席またはビデオメッセージを寄せたなどと報道されていたか? 3.家庭連合、UPF、統一グループ内で、小野寺氏がこのような発言をしたという認識は持っているか。これまでに家庭連合、UPFや関連する組織のHP等でこの件(小野寺氏の発言)に関する記事等が掲載されたことはあるか? 4.FPU兵庫の文聖純会長が小野寺氏について機関紙へ記述したソースへの心当たりの有無  どちらからも翌日回答があった。  教団広報担当部署「天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合 総務局広報部」からは以下の回答。 ”FPU(平和統一連合)兵庫の機関紙「平和統一NEWS」第132号(2020年4月1日発行)についてのご質問ですが、ワールドサミット2020に関する内容となっておりますので、主催団体であるUPF(Universal Peace Federation)までお問い合わせください。  尚、宗教法人世界平和統一家庭連合とUPF(Universal Peace Federation)を始めとした関連外郭団体は完全別組織ですので、問い合わせ・ご質問に関しましても、主催団体別に行ってくださいますようお願いします。”  天宙平和連合の広報担当部署「国連NGO ユニバーサル・ピース・フェデレーション・ジャパン UPF-Japan広報局」からの回答は以下。 ”1 小野寺五典元防衛相が「2月4日の世界平和国会議員連合の総会に出席した」または「ビデオメッセージを寄せた」という事実はありません 2 韓国内においてどのように報じられたかについては、そのすべてを承知いたしておりませんが、小野寺元防衛相がいかなる形においても参加されていない以上、報道はなかったものと認識しております。 3 小野寺元防衛相に関する当該発言についての認識はありません。また、当団体の各種媒体において、これを掲載した事実はありません。 4 FPU(平和統一總合)兵庫の当該媒体における記事について、どのようなソースに基づいて掲載されたものか、当会では把握しておらず、心当たりもありません。”
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