薬物所持逮捕者の出演作配信停止という「過剰反応」。その根源は何なのか?

「配信停止は過剰反応」という雰囲気ができてほしい

 ただ、作品の配信が停止されると報じられたとき、それを不当だと思う人たちは「配信停止を決断した配給側」に非難の声をぶつけがちだ。しかし、それは間違っている。  当然、多額の資金と時間を投じて制作した作品の配信停止を決断する配給側も苦渋の決断を強いられているからだ。彼らだって望んで配信を停止しているわけではない。一般的な企業であればスポンサーの、NHKはその性格上国民の反応に「忖度」せざるを得ず、作品は配信停止に追い込まれているのだ。  つまり、筆者のように配信停止を過剰対応だと思う人たちは、スポンサーや国民一人一人が醸し出す「配信停止はやむを得ない」という「世論」に訴えかけていかなければならない。結局、どうして配信停止に追い込まれるかといえば、「配信を停止しろ!」という国民の声に負けているのが原因だからだ。  そのため、世間が「薬物使用で配信停止は過剰対応なのではないか」という雰囲気を醸し出すようになれば、配給側はむしろこうした声に配慮しなければならなくなる。仮にそうなっても「犯罪者の出ている番組を世間で流すな」というクレームは入るかもしれないが、そこは「対応する必要のないクレーム」として処理してほしい。  本記事が、そうした世論を形成する一助となれば幸いだ。 <文/齊藤颯人>
上智大学出身の新卒フリーライター・サイト運営者。専攻の歴史系記事を中心に、スポーツ・旅・若手フリーランス論などの分野で執筆中。Twitter:@tojin_0115
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