ヤル気が低下、疲労が溜まるリモート会議 モチベーションを上げるスイッチは身近にあった
筆者は「在宅勤務でモチベーションが上がらない」という相談を受けることが多い。例えば、ある人はメールのやりとりで仕事が進み、今日も1日、社内の誰とも話さなかったという。他のメンバーとのコミュニケーション機会が格段に減少していることは間違いない。
そこで、「リモートで会議をすることはないですか」と聞くと、リモート会議はしているが「リモートのほうが電話よりもモチベーションが下がる」という。どういうことかと聞いてみると、リモートで久しぶりに顔を合わせて話ができると楽しみにしていたら、相手がビデオをオフにして、音声だけで話してくるので落胆したらしい。
それも、自分が話さないときには、マイクもオフにしていることがあり、マイクをオンに切り替えている間の沈黙の時間や、すぐにレスポンスがないことにストレスが溜まるのだという。たしかに、これでは電話のほうがまだましだ。
相手に「ビデオをオンにして話しましょうというように持ちかけることは難しいですか」と聞くと、きっと顔を出したくない事情があったり、顔の表情から感情を読み取られたくないのではないかと察しているようで、自分からは言い出さないのだという。
こうしたケースは決して少なくない。世の中のコミュニケーションの総量が格段に減少し、ストレスが増大しているように危惧されてならない。
リモートでビデオをオフにしている人に理由を聞くと、次のような答えが返ってくる。「会社でビデオをオフにするように案内されている」「ネットワーク回線が不安定になるおそれがある」「プライベートな背景を見せたくない」「在宅でラフな格好をしているので見せたくない」「顔を見せ合って話をすることに疲れる」。
たしかに、リモート会議ではビデオをオフというルールを設けていたり、そのような慣習が根づいている企業もある。しかし、ビデオをオフにしてリモート会議をすることが、メンバー間のコミュニケーション、ひいてはエンゲージメントのレベルを低下させている可能性があることに、そろそろ気づかなければならないのではないか。
ネットワーク回線が不安定になるおそれがあるということはよく言われることだが、筆者は長いときで1日6時間、多いケースで40人が一度に参加して、全員が常時ビデオとマイクをオンにして、双方向演習を実施しているが、回線が不安定になったことはない。まれに、特定の参加者の回線が不通になって、再度アクセスすることが必要になるくらいだ。
また、プライベートな背景を見せたくなければ、背景をアレンジすればよい。在宅なのでお互いにラフな格好でやりとりすることを申し合せればよい。あまり難しく考えずに、対面で会話する延長線上だと思って、ビデオをオンにしてみてはどうだろうか。
在宅勤務でモチベーションが低下、ストレスは上昇
背景や服装は相談して、ビデオはオンに
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