すぐに行動できる人は何が違う?  できる人は自然とやってる、「1分で自分を奮い立たせる方法」

 筆者はさまざまな企業の各層の参加者と、モチベーションレベルを上げる演習をしている。演習の内容は、まず自分の現在のモチベーションレベルを数値化したうえで、対面でもリモートでも2人1組になり、お互いに相手に対して「自分の人生で最もすばらしく感動的だったできごと」を1分ずつ話す。その後、自分のモチベーションレベルの数値がどうなっているかを確認するというものだ。

わずか1分でモチベーションが上がる

成功のイメージ画像

photo via Pexels

 たったこれだけのことで、それもわずか1分間で、平均すると75%の人がモチベーションレベルが1段階上がり、40%の人が2段階上がる。  この演習では、最初に自分のモチベーションレベルを数値化してもらう。トレーナーの私がガイドすることは、「縦軸に10から1の10行、横軸に事前と事後の2列の表があります。10が高い、1が低いわけですが、自分のモチベーションレベル、気持ちの高まり度合を10だと思ったら10、5だと思った5、1だと思ったら1というように、事前欄にチェックを入れてください」ということだけだ。  このガイドに対して、抵抗感なく、すぐに事前欄に現在の自分のモチベーションレベルのチェックを入れる人もいれば、考え込んでしまう人もいる。なかには、「10の定義は何か、5の定義は何か」「各々のクライテリアは何か」「10から1の基準は何か」という質問をして、10から1の定義を聞いてから実施しようとする人もいる。  私が返答するのは、「定義もクライテリアも、基準もございません。自分が10だと思ったら10、5だと思ったら5、1だと思ったら1というように思ったとおりにチェックを入れていただけますか」という内容だ。  これは他の人と比べて、その人のモチベーションレベルが高いか低いかを見極めるような、相対評価しようとする演習ではない。自分のモチベーションレベルが、事前と事後でどう変わるかを見極めようとするだけなのだ。従って、参加者共通のモチベーションレベルの基準がなくても実施できる演習なので、モチベーションレベルの定義をしないのだ。

自分の行動基準は内外どちらにある?

 しかし、たったこれだけの演習で、自分の行動の価値基準が内面にあるか、能動性が高いか、実行力が高いかということがわかる。  「自分の気持ちの高まり度合を、10だと思ったら10、5だと思ったら5というように、事前欄にチェックを入れてください」というガイドだけで、抵抗感を覚えることなく、すぐにチェックを入れることができる人は、自分の内面を見つめる能力に長けていて、行動の価値基準が自分の内面にある人が多い。  一方、抵抗感を覚えてしまい、客観的な定義を求めないとチェックできない人は、自分の行動の価値基準が、客観的な指標などの自分の外面にある人と言える。  一般に、自分の行動の基準が自分の内面にある人は能動性を発揮しやすく、実行力が高い。一方、外面にある人は外面の基準を確認したがるぶん、能動性、ひいては実行力が損なわれる
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