7月15日の裁判後、俊夫さんの遺影を持って大阪地裁を出た赤木雅子さん
赤木雅子さんは私の大失態を知って、すぐにLINEでメッセージをくれました。その申し出で、大阪・梅田の喫茶店でお会いしました。
赤木雅子さんの夫、俊夫さんは、財務省近畿財務局で公文書の改ざんをさせられたことでうつ病になり、不正の全責任を押しつけられると追い詰められて、自ら命を絶ちました。だから雅子さんは真相解明をめざし、国などを相手に裁判を起こしています。
これまでの取材の中で、俊夫さんが飲んでいたうつ病の薬の話題が出た時、「その薬、私も飲んでいましたよ」という形で、私は自分の病歴を雅子さんに伝えていました。ほとんどの薬が私と重なっていました。
飲酒癖についても話題に上りました。雅子さんの亡くなった実のお父さんも、お酒のことで苦しんでいたからです。お父さんが大好きだった雅子さんは、私の中にお父さんの姿を見ていたそうです。だから今回、次のようにお話がありました。
「相澤さんがお酒を飲む姿は、私にとってはいつも痛々しい感じがしていたんですよ」
そして続けて「境さんの話をよく聞いてください。相澤さんを一番理解しておられます。境さんの言葉は私の言葉と受けとめてください」
その後、境と面談し、さらに精神科クリニックを受診して、雅子さんに結果を伝えました。すると、「相澤さん!これからですよ!厳しい道のりは!とにかく3日、頑張ってください!」。
医師の指示を守って禁酒できるのか? それから先どうすることになるのか? 専門の医療機関のお世話になるのか? それを次回1日の受診後に境と赤木さんにお伝えするのはもちろん、この場をお借りして皆さまに再びご報告したいと考えています。
私は酒を楽しんできたと思っていました。酒の失敗も笑い話として甘えてきました。それは失敗がすべて自分一人のことだと思っていたからです。
しかしその甘い考えが、大勢の方々に多大なご迷惑をおかけする結果を招きました。私にイベントでの発言の機会を与えようとしてくださったダースレイダーさんとプチ鹿島さん、LOFT9の担当の方、チケットを購入して出演をお待ち頂いた皆さま、すべての方の思いを裏切ったことを、心よりお詫び申し上げます。申し訳ございません。
そして、今回の大失態にご意見を頂いた皆さまのおかげで、自分のおごりに気づき、自分に向き合うきっかけを得ることができました。そのことに深く感謝致します。ありがとうございました。
<文/相澤冬樹>