「クラスターフェス」の国民主権党、カウンターのネトウヨ政治団体とトラブルを起こすようになっていた

 2週間ほど前にも、「国民主権党」というNHKから国民を守る党から分裂した政治団体が、渋谷ハチ公前で「コロナはただの風邪」と訴える「クラスターフェス」なるイベントを開催し、世間様にご迷惑をおかけしているという記事をお伝えしました。  あまりに迷惑なイベントなので、さまざまなメディアが同じように「クラスターフェス」を報じたのですが、本人は反省するどころか、注目されれば注目されるほど喜んでしまう逆効果。普通は叱られたらヘコむものですが、彼らは叱られれば叱られるほど「ご褒美」だと感じてしまう、五反田あたりで女王様にシバかれ倒す趣味を持つ人と同じメンタルだったのです。なので、このイベントは過激さを増しながら現在も続けられており、このままではとんでもない事件や事故に発展しかねない非常に危うい状況になっていると言わざるを得ません。さらなる過激な思想を持った人たちから血を流すようなトラブルに巻き込まれるかもしれませんし、欧米のコロナパーティーのように、本当に新型コロナウイルスに罹って死んでしまうような若者が出てしまう可能性もあります。いろんな意味で危機感を持って監視していかなければならないカルト団体になっています。

クラスターフェスについて知ってほしいこと

 まず大前提として、この「クラスターフェス」を開催する「国民主権党」は総務省に届けられている正式な政治団体です。なので、これはイカれた個人がやっている迷惑行為ではなく、政治団体が世の中に思想信条を広めるために行っている政治活動であると言えます。つまり、みんなに「コロナはただの風邪」だと伝えたいという目的の裏に、「今後、国民主権党に1票入れてくださいね」というメッセージが隠されていることを皆さんに認識していただく必要があるかと思います。  代表の平塚正幸氏は、今年7月の東京都知事選に立候補していますが、その先の何らかの選挙に立候補してくる可能性が高く、このような派手で迷惑なパフォーマンスをする背景には、かつて「悪名は無名に勝る」と言って、やりたい放題やりまくって知名度を獲得し、国政政党まで上り詰めた立花孝志氏の選挙戦略がお手本になっています。マナーやモラルは最悪だけど、あくまで法律に違反しているわけではない。こんなに新型コロナウイルスが流行しているのにマスクをしないで行動することを取り締まる法律は、今のところないからです。そういうところも、立花氏と非常によく似ています。

国民主権党にカウンターをするネトウヨ政治団体

 実は、クラスターフェスが問題になってから、国民主権党に対してカウンターを仕掛ける政治団体が現れました。  カウンターとは、関係者に大きな声で中止を呼び掛けたり、すぐ隣でマイクを使って同じように主義主張を展開することで、クラスターフェスを止めようとする動きのこと。これを展開しているのは「日本国民党」という政治団体です。  日本国民党は、現職の葛飾区議である鈴木信行氏が代表を務める政治団体で、掲げている政策は「葛飾区から外国人の生活保護を廃止する」というもの。日本という国は日本人だけのもので、日本にやって来て生活に困った外国人は祖国に送り返せばいいという思想のもと、外国人(主に韓国や北朝鮮の人たち)の生活保護は廃止するべきだと訴える人たちです。めちゃくちゃシンプルな言葉で表すならば「ネトウヨ」です。ちなみに、平塚正幸氏がお手本にしている立花孝志氏も葛飾区議です。葛飾区、大丈夫でしょうか……。  実は、クラスターフェスに対しては、日本国民党の他にも、さまざまネトウヨ的な人たちがやってきて、カウンターを仕掛けるようになってきているのですが、この人たちはどうして「クラスターフェス」を潰そうとしているのでしょうか。それは、ネトウヨの皆さんにとって新型コロナウイルスは「武漢ウイルス」や「武漢肺炎」であり、”中国の研究所が人工的に作ったウイルスかもしれないと考えている”からです。  要するに、このウイルスは中国が作り上げた日本を攻撃するためのウイルスで、マスクをしないべきだと言ったり、もっと密になろうと言ったりするのは、結果として中国が仕掛けたウイルス攻撃の犠牲者を出すことになるかもしれない。つまり、これは「反日行為」以外のナニモノでもないという考え方なのです。  もし平塚正幸氏が中国共産党のスパイで、わざと日本で新型コロナウイルスを広めようと思って活動しているのだとしたら大したものですが、実際は、陰謀論をこじらせて本当に新型コロナウイルスはただの風邪だと思うようになってしまった中年男性でしかないので、中国のために働いているみたいな壮大なスケールでお届けされているものではなく、ただただシンプルな話です。
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トラブルが増えつつある「クラスターフェス」
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