コロナ禍で翻弄されるアイドルを、運営側はどのように対応していたのか。都内で10以上のアイドルグループを展開する芸能事務所、スパイラルミュージックの野口正人氏に聞いた。
「一番大変なのはアイドルの
モチベーション維持や心のケアですね。アイドルは人に夢を与える職業ですが、それ以上に彼女たち自身に夢があるから成り立っている。
楽しみにしていたイベントやCD発売、生誕祭もコロナですべて中止になってしまい、運営としても夢を与えられず苦しかったです」
また、ケアが必要なのはアイドルだけではない。
「ウチは小・中学生も預かっているので、
親御さんとの関係や信頼を築くのに苦労しました。どれだけ対策しても完璧に感染を防止できていると証明ができない以上、家族と一緒に住んでいるコは、活動を制限せざるを得ないケースが多いです。そんなコに対して、ほかのメンバーが『やる気がないのでは?』と関係に溝ができてしまったことも。自粛が明けたらグループの人数が減っていたり、半分以上のタレントがやめてしまったという話も聞きました」
この先のアイドル業界はどうなっていくのだろうか。
「3~4割くらいアイドルは減っていくと思いますが、衰退してもアイドルは絶対なくならない。活動次第だと思っていて、特典会やライブ現場でファンを増やすより、楽曲で攻めていこうと考えています。コロナでの唯一の利点が、熱心なファンの存在を再確認したこと。給付金10万円を全額アイドルに使ってくれたり、我々スタッフに対しても応援してくれたり、そんなファンの方々のためにも、コロナでも通用するアイドルの価値を生み出していきたい」
もはや完全にWithコロナ時代に突入したアイドル業界。夢を見せてくれる存在だからこそ、まずは彼女たちが夢を見られる状況にいち早く戻ってほしい。
※コロナ禍が原因としていないケースも含む
▼解散
sora tob sakana
CY8ER
charm*charam
ハコイリムスメ
WEAR
OUTSKIRTS
Gnocchi!!
▼活動休止
ぜんぶ君のせいだ。
カレッジ・コスモス
▼卒業
渡辺楓(STARMARIE)
ミオ(エルフロート)
妖精かなめ(神使轟く、激情の如く。)
かしま(あっとせぶんてぃーん)
音羽かのん(bob up)
真城もなこ(eN)
野田ひとみ ほか2人(CoverGirls)
<取材・文・撮影/タカダ ツマミ具依>
※週刊SPA!8月18日発売号より