歌って踊りたいのにできない!卒業、解散、貧困……コロナ禍アイドルの悲鳴

コロナ禍アイドルの悲鳴

マスクとフェイスシールド両方の着用が必須。ここまでして見たい人がどれだけいるだろうか

ライブ再開も以前とはまったく別物……

 一方、緊急事態宣言の解除後、ライブ活動を再開するアイドルも出てきている。6月よりライブを再開した某アイドルグループのハルさん(仮名・21歳)は「ライブができるようになったのは嬉しいけど、まだまだ大変です」と語る。 「自粛期間ではオンラインでチェキを売ったり、SHOWROOMで配信したりして活動していました。今までと同じような活動ができないにもかかわらず、ファンの人が『少しでも生活の足しになるように』と、グッズ購入や投げ銭をしてくれて、とてもありがたかったです。でも事務所からの給料が、基本給+歩合だったのがコロナの影響で基本給なしの完全歩合になってしまい、収入が半分以下になりましたね……」  ようやく再開したライブは、コロナ前とはまったく別ものになってしまった。 「通常の3~4割程度のお客さんしか入れられないのでライブはいつもガラガラ。声は出せないし、コロナ前と比べると、ライブの盛り上がりにはかなり差がありますね。ライブができること自体には感謝していますが、もしこれが続くのであれば心が折れそうです」  コロナ禍でライブデビューしたoxymor≠n(オキシロモン)のカヤさん(18歳)は、その苦労を教えてくれた。 「もとは5月に行う予定が7月、8月とどんどん延期に……。やっと開催できたライブは、30人限定の2部制ワンマンになりました。本当は対バンライブにして多くの人に見てもらいたかったのですが、先が見えない状況でほかのアイドルさんと調整するのも難しくて。コロナでも頑張っていこうとやる気満々ですが、私はモーニング娘。さんのような実力派アイドルを目指しているので、ライブがやりにくいのは正直悔しいです」
コロナ禍アイドルの悲鳴

アイドルのロゴが入っているフェイスシールド。コロナ禍ならではのグッズが登場している

コロナ禍アイドルの悲鳴

ライブハウスの床には、ソーシャルディスタンスのためにテープや足型マークが貼られている

「アイドル」離れするファンも

 ライブの延期や中止が続くなか、こんな状況だと、アイドル現場から離れていくファンも少なくない。森田守さん(仮名・44歳)は、コロナ前には毎週ライブに通って月5万円以上のお金を使うアイドルファンだったが、ライブに行けず家にいる時間が増えるなかで、最近新しい趣味を見つけた。 「アイドルオタク仲間の紹介でボートレースにハマりました。毎日開催されていて自宅で中継を楽しめるし、何よりかわいい女性レーサーも多いんですよ。自粛期間にアイドルを見たりチェキを撮ったりしない生活に慣れてしまったこともあり、今では彼女たちが僕にとってのアイドルですね(笑)」
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夢を見られずモチベーション低下
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