ひとり君 / PIXTA(ピクスタ)
みなさん、こんにちは。微表情研究家の清水建二です。今回も、表情分析を用いた私服保安員の万引き防止術について、私服保安員歴11年かつ表情分析の専門資格を持つR・Tさんからお話を伺うシリーズです。
今回は潜在的な万引き犯に万引きを思いとどまらせるには、高度なノンバーバルの観察力と自身のノンバーバルによる伝達力が必要だということを、商品を万引きしつつも逃げるタイミングを計っている万引き犯のケースを通じて紹介して頂きました。
万引きをした可能性の高い女性を見つけたRさん。その女性は店舗の外に出てしまいますが、まだ店舗の敷地外には出ていません。
Rさんはその女性の動向を追い、プレッシャーを与える意味を込め、鋭い視線を送ります。すると、その女性はRさんの視線に気づいたようです。彼女はどのような行動に出たのでしょうか。Rさんにそのときの様子を伺います。
「彼女はすぐに私の視線に気がつきました。私が仁王立ちして見ているのを察知した瞬間、彼女は一瞬だけ目を見開き、目の周りを強ばらせました。恐怖の微表情です。そして、彼女の口元に最初は小さく、次第に大きく、感情がブレているサインが生じ始めました。さらに私がつかず離れずの位置で凝視を続けると、口周りに力が入り、感情を抑制しているサインが加わりました。彼女は私とは目を合わせないようにしていましたが、感情のブレと感情抑制の頻度が増していくのが分かりました。そして、最後には唇を指で激しく触りはじめました。彼女の行動から明らかな動揺が観てとれます」
この彼女の感情のブレと感情抑制の頻度が増していく様子から、ご自身が仕掛けた心理的な圧迫が的確に作用しているのがわかるとRさんは分析します。
彼女はどんな行動を取ったのでしょうか?
「案の定、いたたまれなくなったのか、彼女はこの後すぐにUターンして店内に戻り、商品を全てバックから取り出して置いていきました。その後、彼女は逃げるように店外へ出て帰って行きました。商品を全て取り戻すことができたので、防止は成功です。」
表情分析技術を用いた万引きの防止法についてRさんは次のように見解を話しました。