森友改ざんを追及する赤木雅子さんの新たな面を、写真誌『フライデー』が引き出した

森友や改ざんに関心のない人にも、記事を見てもらえるチャンス

『フライデー』編集部の取材を受ける赤木雅子さん

『フライデー』編集部の取材を受ける赤木雅子さん

 写真誌『フライデー』に、赤木雅子さんが降臨した。8月7日発売号に写真つきで記事が掲載されている。  ご存じない方のために。赤木雅子さん(49歳)は、森友事件で公文書の改ざんを上司に無理矢理させられて命を絶った財務省近畿財務局の職員・赤木俊夫さん(享年54)の妻。国と、改ざんを指示したとされる佐川宣寿元財務省理財局長を訴えた裁判が、7月15日に大阪地裁で始まった。  同時に『私は真実が知りたい』(文藝春秋)という筆者との共著書を刊行。こうした動きが世の注目を集め、雅子さんは新聞・テレビなどマスコミ各社から取材を受けた。それはひたすら、夫と自分の身に起きたことを多くの方に知ってもらって、真相解明につなげたいという願いからだった。  そこへ『フライデー』(講談社)からの取材依頼が舞い込んだ。雅子さんはそれまで、いわゆる大手マスコミの取材はいくつも受けたが、雑誌の取材は受けたことがなかった(『週刊文春』の記事は筆者が書いている)。  中でも『フライデー』は「袋とじ」と呼ばれる、購入して切り開かないと見ることのできない女性のヌード写真のページが売り物だ。雅子さんにはためらいもあったが、私は迷わず推した。 「森友や改ざんに関心のない人にも記事を見てもらえるチャンスです。受けましょう」

雑誌の取材は、新聞やテレビとは違って明るい雰囲気だった

 7月30日、『フライデー』を発行する東京・文京区音羽の講談社。到着した雅子さんを出迎えたのは『フライデー』編集部の3人。その中に女性がいたことに雅子さんはほっとした。窓が広く明るい部屋に通されて、机を挟んで3人の編集部員と向き合った。いよいよ取材開始だ。雅子さんはすぐに、これまで受けてきた取材との違いに気がついた。 「明るいんですよ。これまでの新聞やテレビの記者さんは、みんな固くて暗い表情で質問してくるんです。私が夫を亡くした遺族だから遠慮しているみたいで。でも私もいつも暗くしているわけじゃありませんよね。『フライデー』の方はみんなにこやかに笑顔で話しかけてくれました。だからすごく気楽に話せました」  質問してくる内容にも違いがあったという。 「新聞やテレビの人って、聞いてくることがほとんど同じです。夫が亡くなった時にどうだったか? その後、近畿財務局の対応はどうだったか? どうして裁判を決意したのか? 裁判が始まって今はどういう心境か? そういうことを聞いてきます。私自身のことってあまり聞かれないんです。だから記事も似たような内容になりますよね。『フライデー』の方は、私自身がどう感じたのかを聞いてくれました」  例えば裁判が始まって法廷で最初に感じたこと。国と佐川氏の代理人は13人もの大所帯で、法廷の被告席に座りきれずに傍聴席の前にも座っていた。その時に雅子さんが感じた違和感を、『フライデー』は雅子さんの言葉としてこんな風に表現している。 「国側にはたくさんの弁護団がついていますが、そんなことにお金や時間をかけるんじゃなくて、再調査してほしいです」
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夫の職場の人間に感じた圧迫感
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