大混乱のコロナ相場。こんな状況下でも安心できる資産運用法はあるのか?

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日経平均は一時1万6000円台まで落ち込み、リーマンショック以来の大暴落に

 2020年早々、世界を襲った新型コロナウイルス。疾病による犠牲はもちろんのこと、経済は崩壊し日本でも東京五輪の延期に追い込まれた。「一寸先は闇」を思い知らされた今、どのように身を振るべきなのか。

相場急落で市場からの撤退は早計

 コロナ禍で金融市況が悪化している今、どの金融商品でも投資は難しいという感覚が強いだろう。だが、あえてこの状況下で投資をするなら、どんな金融商品を選ぶべきなのだろうか?  ファイナンシャルプランナーで経済エッセイストの井戸美枝氏が推すのは、オーソドックスに投資信託だ。 「相場が急落したからといって市場から撤退することは、もっとも避けるべき行為です。今は損をしているかもしれませんが、それは1年~2年など、短期的視野での話。長期的に見れば、ここで撤退せずに運用を続けるほうが、利益が出る可能性が高いのです」  とはいえ株価が全体的に下がっている中では、投資信託も決して安心とはいえない。これ以上市況が悪化する前に売却しようと考えている人も少なくないだろう。

相場が不安定なときこそ積み立てを継続すべし!?

 だが、井戸氏によると相場が不安定なときこそ、将来のために毎月の積み立てを継続すべきだという。短期的な価格変動に左右され、慌てて売買することは、失敗に繋がりかねない。 「REITを含む不動産投資は、投資先にもよりますが、今後そこまでの回復は望めないでしょう。単元株を個人で売買するのも、市場の動きが読めない素人が行うにはリスクが高い。運用のプロたるファンドマネジャーが集めた資金を多様な資産に投資運用してくれる投資信託の利用がいいですね」  つみたて投資は、今は相場が下がっていて購入口数を増やしやすい。お金を育てる仕組みを構築するのに最適な時期というわけだ。 「新型コロナウイルスの流行は第二波、第三波がくると言われていますが、ファンドマネジャーはそうした情勢の変化は折り込み済みでしょう。時間をかけて、積み立てを分散するほうが安心です」  また、これまでに起きた金融危機の歴史を振り返ってみても、現状で市場から撤退することが得策ではないことが窺える。 「’90年代後半~’00年代初頭に起きたITバブル崩壊のときも、’08年9月に米証券大手のリーマン・ブラザーズの破綻を機に発生したリーマン・ショックのときも、今回のコロナショック同様にNYダウは下がっています。しかし、この2つのショックで下がったダウの平均株価は、約4年で元の水準に戻っているのです。米国株は困難が訪れる度にそれを乗り越えています。今落ち込んでいる株価も、長い目で見て3~4年後には回復すると考えると、今手放すのは賢明ではありません」
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4つの「避けるべき投資信託」とは?
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