人材・航空・薬局・広告……。さまざまな業界のさまざまな「コロナショック」

コロナ不況

RichR / PIXTA(ピクスタ)

 感染者数の最多人数が連日のように更新されるなど、新型コロナの猛威が止まらない。日本経済が急速に冷え込むなかで、各産業はどのような打撃を受けているのか。

転職希望者が溢れ返っていても求人数は10分の1まで減少

●人材 今井 優さん(仮名・35歳)転職エージェント 「人材業界の重要な指標として求人数と求職者数の指数があり、その多さで景気を見るのですが、今の求人数は平時の10分の1まで減少している。一方で、求職者数は減っていません。つまり、転職先がなくて人材が動かせないんです。エージェントは転職者の年収の3割を成果報酬としてもらうので、人が動かないと一銭にもなりません。5、6月は昨年比で3割程度まで落ち込んでしまいました。  特にウチはアパレル人材を扱っているので大打撃です。レナウンの民事再生に加え、セシルマクビーの店舗閉鎖を決めたジャパンイマジネーションのように、各ブランドが規模縮小を進めていますから。今は業界全体が冷え込んでいて、耐えるしかないですね」
「新型コロナの直撃度」証言集

独立した直後にこの苦難。「高年収層に絞り、数より質で勝負するしかない」と話す

出勤日数と給料が大幅に減少。さらに本社から人員整理の連絡が

●航空 脇田彩加さん(仮名・28歳)航空会社の地上スタッフ 「中華系航空会社のグランドスタッフとして働き始めて4年。2回目の契約更新が迫った6月に日本支社で働く全社員に「更新する人選を厳しく精査する」という旨のメールが届きました。コロナでの業績悪化から便数が減り、本社では人員整理が始まっていたんです。それでも一方的な内容に納得いかなかったので上長に直訴しに行ったら、なんとか1年の更新を勝ち取りました。同じ時期に入社した同僚はそのまま契約満了になりそうで、気まずくて何も言えません。    3月までは月22日の出勤でしたが、今は月5日ほどです。以前は残業代がついて手取り約22万円はあったのが、約14万円まで下がりました。今後は副業を始めないと生きていけないですね」
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感染リスクに怯える調剤薬局勤務の薬剤師
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