都庁記者クラブの記者たちは、報道機関としての役割を放棄している
石井妙子氏が「うなずき娘」と揶揄する記者が質問
こんな質問ばかりでは「小池都政をチェックする、報道機関としての役割を放棄した」と言われても仕方がないだろう。メディアに露出する小池知事は、視聴者の目には「コロナ対策に熱心な首長」と映るのかもしれない。しかし実際は、自己アピールできるような質問をしてくれる記者たちを選んで指名しているだけのことだ。
『女帝 小池百合子』(文藝春秋)の著者・石井妙子氏は、6月17日公開の
「ダイヤモンドオンライン」のインタビューで次のように語っている。
「都庁で行われる小池氏の記者会見を動画でよく見ますが、彼女のくだらない冗談に、前の方に座っている民放キー局の女性記者たちが、大げさに受けたり、うんうん、うんうんと必死でうなずいて見せている。私は秘かに『うなずき娘』と呼んでいるのですが(笑)、記者たちが権力者に迎合しすぎています」
その「くだらない冗談」の一例を紹介しよう。ある民放テレビ局の女性記者は、1月10日の都知事会見でこう質問した。
「特定外来生物のキョンについて伺えればと思います。都としての対策や、何か啓発の活動などがありましたら伺えればと思います」
これに対して小池知事は「よくぞ聞いてくれた」といった感じで、こう答えた。
「東京は、これまで特に大島でのキョンが急激に増えていることで、平成28年度から島以外から猟友会など、ハンターに来てもらうなど、捕獲の強化を図ってきました。その結果、実は平成30年末時点でのキョンの生息数は、初めて横ばいから減少するということで。これまでのキョン対策、これに『キョンとるず』っていう名前をつけています(笑)」
この冗談のどこが面白いのかは不明だが、「うなずき娘」たちはこの時も
大げさなリアクションをとっていた。
東京都のコロナ感染拡大を招いた“元凶”ともいえる小池知事は、ニューヨークや世田谷区の取り組みにも関心を示さず、“職務怠慢”を続けている。このことを可能にしているのは、「うなずき娘」をはじめとした“お気に入り記者”たちの迎合と、小池知事の徹底した“記者排除”の産物なのである。
<文・写真/横田一>