ウーバーイーツ、配達員の事故への対応は。ユニオンが補償の拡充を訴え。

事故のケガ、打撲・擦過傷が半数近く

 ユニオンが実施したアンケート調査によると、事故による配達員の負傷の内訳は「打撲・擦過傷など」が45.2%と最も多かったものの、「頸椎捻挫や靭帯損傷など」がおよそ20パーセント、「骨折」がおよそ19%だった。  治療のために仕事を休んだ期間については、1~2週間が41.9%を占めたが、1か月以上働けなかった人も約2割に上った。  事故による傷害を対象にした「傷害見舞金制度」もある。しかし補償の対象になるのは、「アプリで配達依頼を了承したときから、注文品を店舗から受け取り、配達が完了するまでの間」(On-Tripのとき)の事故に限られてしまっている。  そのため、例えば注文の多いエリアにオンライン状態で移動中の事故は見舞金の対象外になってしまうという。

傷害見舞金制度の拡充などを求めていく意向

土屋俊明さん

土屋俊明さん

 ウーバーイーツユニオンで事故調査プロジェクトを担当した土屋俊明さんは、会見でこう訴えた。 「僕自身がウーバーイーツとして働いていたとき、単独転倒事故を起こしてしまいました。アプリ経由でどのような事故を起こしたか報告するのですが、ウーバー側からは『事故がまた起きたらアカウントが永久に停止になるかもしれない』というメールを受信したんです。事故を起こしてしまい、傷ついているときにこのようなメールが来るのはどうなのかと思いました。配達員の事故に巻き込まれた人への配慮も足りません。  今回の調査で明らかになったのは実際に起きている事故の氷山の一角に過ぎません。ウーバーには事故の情報が集まってきているはず。事故の実態を公表してほしい」  今後ユニオンは、傷害見舞金制度の対象拡充や、配達員との事故に遭った人向けの窓口を設置することをウーバージャパンに求めていくという。 <取材・文/HBO編集部>
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